社団法人東京慈恵会医科大学 同窓会

 
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2017年04月25日 大学講座シリーズ 「病理学講座」
講座担当教授 池上 雅博


歴    史   
 病理学講座の歴史は、本学の前身の成医会で授業科目として採用された明治20年に始まり、以来、約130年の歴史を有しております。それから23年後の明治43年、今裕教授のもと講座が開かれました。昭和26年、高木文一教授が就任された時に、大場勝利教授と共に第一病理学教室と第二病理学教室の二講座体制になり、以来、石川栄世教授、松本武四郎教授、藍沢茂雄教授、牛込新一郎教授、羽野寛教授と続き、平成8年に河上牧夫教授が就任された時に、病院病理部が設置され、各々独立した1講座、1病理部の体制となりました。平成25年にこの二つが統合され、病院病理部へは講座からの出向となり、現在に至ります。現在の医局員の数は、池上雅博講座担当教授のもと、附属四病院、関連三病院を含め31人です。20代後半から30代の若手や女性が多いことが特色の1つです。
 病理医は、病変を的確に判定し治療方針に影響を及ぼす裁判官に例えられますが、平成22年の厚生労働省の調査によると、病理医の数は全国で1,283人と、絶滅危惧種のトキ(1,814羽)より少ないとされています。重要な役割であるにもかかわらず、常に人材不足であり、常勤病理医を抱えられる医療機関は少ないのが現状であります。当講座においても数年前に所属する病理医が15人まで減少する危機的時代がありましたが、ここ数年で回復しつつあります。
診    療   
 病理学講座の基本業務は、日々の診断です。手術検体と生検検体を含めた組織診断は、附属4病院で計44,946件、細胞診検体は計41,515件、病理解剖は計68件であり(いずれも平成28調査)、大量の診断業務を行っております。
 本学の診療のキーワードを挙げるとすれば「連携」です。
 第一に基礎研究部門と診断部門の連携。他学では、二つの部門が断絶している所もあると耳にしますが、本学では両者は一体的に運用され、各部門に各種臓器の専門家がおります。診断で迷った場合は、それぞれの専門家にアドバイスを求めるなどその関係はきわめて密です。
 第二には、技師との連携です。正確な診断を行うには、優れた技師により美しい標本が作製されることが、重要な要素の一つです。適正かつ美しい標本を作製する技術の修得には10年近くの時間を必要とし、その仕事は職人芸です。また、組織診における標本作製ばかりでなく、細胞診ではその診断に関しても、技師が重要な役割を果たしております。細胞診は増加傾向にあり、技師の存在感は年々増しています。病理医は、そんな彼らに敬意をはらい、二人三脚で日々の業務に取り組んでおります。
 第三には、臨床との連携です。病理組織診断は、組織標本を見れば全て解決すると思われがちですが、それは大きな誤解です。正しい診断を行うには臨床情報を理解して診断することが極めて重要です。疑問があれば臨床担当医にこまめに連絡をとって確認しております。また各科とのカンファレンスを通じて臨床との連携をより良くするよう努力しております。
 課題もあります。慈恵医大の病理医は総勢31人と病理学講座としては大所帯ですが、附属四病院と関連三病院に人員を配置しており、そのパワーが分散されていることが挙げられます。今後は各病院相互にネットワークで結び、遠隔画像診断を行うと共に、お互いの関係をより密にすることが喫緊の課題です。
教    育   
 学生に対する病理の講義と実習の時間数は、近年従来の半分以下に減少させられてしまいましたが、講座に所属する医師は、全員が教員として全ての実習に参加し、熱意をもって担当しています。全員参加ゆえに少人数指導が可能となり、教員は一人ひとりの学生とじっくり向き合い、ディスカッションを重ねながら、学生は必要な知識を積み上げていきます。また、学生は実習の担当教員だけでなく、全ての教員からサポートを受けることができます。教員と学生との距離が近く、お互いのつながりを強めてくれるのが当講座の病理実習です。教育に王道なし、学生とできる限り多くの時間を共有し、指導にあたることが教育にとって極めて重要であると考えます。病理学は学生が1、2年生で学んだ基礎医学と、臨床医学との橋渡しをする重要な役割があることを念頭におき指導すると共に、ワークライフバランスが取れる職場であるとアピールし、興味を示す学生はもとより、女性を積極的に勧誘しています。
研    究   
 研究分野は伝統的に人体病理学(臓器病理学、外科病理学、腫瘍病理学)を中心に幅広く行なってきております。一方で、近年著しく発達している種々の分子生物学的手法を導入し、形態学を基盤とした研究を更に発展させるべきであると考えています。例えば、脳腫瘍においては平成二十八年にWHO分類が改訂され、研究のみならず診療においても分子生物学的な理解が必要不可欠となってきています。このような状況を考慮し、当講座の従来からの手法である形態を基盤とした研究に、先進性を持たせるべく、若手医局員を留学させる予定です。
 今年は、講座の「誕生」から130年の節目です。2020年東京五輪の前に、講座の礎を築いた先輩医師からのバトンを次代に継いでいかなくてはなりません。
 教育者・研究者であり、かつ臨床医であるという自覚を持ち、常に患者を意識する病理医を育てることに、全力で取り組む覚悟です。










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