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東京慈恵医科大学同窓会

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2017年05月25日 大学講座シリーズ? 「皮膚科学講座」
講座担当教授 中川 秀己


沿革   
 明治29年に笹川三男三先生が初代教授に就任されてから、平成28年で120周年を迎えています。大正11年には泌尿器科の朝倉文三教授が皮膚科教授を兼任され、昭和5年から3代渡辺一郎教授就任(皮膚科兼任)、昭和8年に4代土肥章司教授就任、その御子息の土肥淳一郎先生が昭和21年5代教授就任、昭和47年に6代笹川正二教授就任、昭和59年に7代新村眞人教授が就任されました。新村教授は平成15年に退任され、その後、1年1か月は栗原敏学長(現理事長)が皮膚科講座を兼務され、平成16年5月から中川秀己が講座運営を担っています。
 この間、日本皮膚科学会総会を昭和44年第68回:第5代土肥淳一郎教授、平成11年第98回:第7代新村教授に次いで平成28年第115回を第8代教授の私で3回主催させて頂きました。私学では最も多い開催回数になっています。
現況   
 現在、教室員は常勤約70名(大学院生8名を含む)で附属四病院、教室関連病院として東京逓信病院、NTT東日本関東病院、虎の門病院、東京警察病院、国立国際医療研究センター病院、自治医科大学附属病院に教室員を派遣しています。女性医師が約半数を占めており、結婚・出産・子育てがあっても継続して仕事ができるような環境作りに努力しています。
診療   
 本院病棟の定床は11床で、皮膚悪性・良性腫瘍の手術、重症薬疹などの疾患を主に取り扱っています。外来診療は午前中に一般外来、午後は専門外来が主体になっています。専門外来はアトピー性皮膚炎、乾癬、神経線維腫症、皮膚悪性腫瘍、パッチテスト、皮膚レーザー、膠原病、フットケア、疣贅、ヘルペスと多岐に渡っており、特に乾癬、神経線維腫症専門外来の通院患者数は日本一と言われています。また、四階のスキンケア外来には全身型、ターゲット型の光線機械を設置し、光線療法を積極的に行っています。他の附属病院も本院との密な連携を取り、皮膚科のすべての疾患に対応できる診療体制を整えています。
研究   
 臨床に直接還元できる臨床および基礎研究を各専門外来の指導医が中心となり行っています。主な研究としては?乾癬患者QOL評価に基づく治療ガイドライン作成、発症機序の解明と新しい治療法の開発、?アトピー性皮膚後の痒み惹起物質解析と治療法開発、?ヒト乳頭腫ウイルスとヒトヘルペスウイルス感染症の分子生物学的解析と治療法開発、?神経線維腫症の臨床分子生物学的解析、?皮膚悪性腫瘍の発症機序解明、?皮膚体性幹細胞を用いた研究、?膠原病患者の免疫異常解明です。
教育   
 卒前教育では患者中心のチーム医療の重要さの習得に重点を置いています。三年の専門習得コースでは皮膚科領域の専門的知識・技能を習得し、皮膚疾患に悩む患者を包括的に診療できる十分な研修を積むことができるように各分野を専門とする指導医のもと充実したプログラムを組んでいます。原則として附属四病院のローテートが中心ですが、教室派遣病院での研修も取り入れています。関連学会での発表や論文作成を積極的に指導しています。また、患者さんに適正な説明、同意その他のインフォームド・コンセントを与えることができる能力の習得にも力を入れています。

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