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東京慈恵医科大学同窓会

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2017年07月25日 夏季セミナー1 めまい、頭痛の鑑別診断
―神経内科の立場から― 神経内科 豊田千純子


 めまいや頭痛は非常に多くきかれる主訴であり、その原因は多岐にわたる。その中でも神経内科の立場から主に見逃してはいけない疾患について紹介する。
 めまいの原因は大きく前庭性、非前庭性に分けられる。その中でも神経内科疾患が原因となりやすいのは前庭性中枢性めまいである。問診、診察で重要なのは持続時間や基礎疾患、また脳神経症状、錐体路症状、小脳症状などの神経学的随伴症状を伴っているかである。脳血管障害によるめまいは緊急の治療を要するため注意が必要である。また後頭部痛を伴う場合は椎骨動脈解離による延髄外側症候群(Wallenberg syndrome)を見逃してはならない。頭痛の原因は一次性、二次性に分けられ神経内科が扱う疾患は多く、問診、診察が重要であり、脳血管障害、髄膜炎など致死的な原因となるものを見逃してはならない。他にも前庭性片頭痛、機能性身体症候群など正しい診断と加療が必要な疾患もある。

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