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東京慈恵医科大学同窓会

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2017年07月25日 大学講座シリーズ? 「細菌学講座 」
講座担当教授 水之江 義充


沿    革
 明治22年、本学が成医学校と呼称したとき、医学士の坪井次郎が黴菌学の講義を行った。
 明治24年、本学が東京慈恵医院医学校となった初期には、坪井次郎が講義を担当、明治26年から明治34年までは遠山椿吉が黴菌学を講じた。この間に北里柴三郎が来校し、黴菌学を講じたこともあった。
 明治36年、東京慈恵医院医学専門学校が設立された。それと同時に細菌学に関する講義も拡充され、大野禧一、秦佐八郎、入倉栄章らが講義を担当した。
 明治43年、綿引朝光が本学における最初の細菌学専任教授の任に就き、細菌学教室を設立した。
 大正14年1月、寺田正中が主任教授となった。昭和33年4月、富井武寛が主任教授となった。昭和40年10月、近藤勇教授は第2細菌学講座の主任教授となった。この時の第1細菌学講座の主任教授は富井武寛教授であった。昭和44年富井教授は願いにより講座担当を解かれ、第2細菌学講座の近藤教授が第1細菌学講座を兼担することとなった。
 昭和58年、近藤教授は定年退職し、益田昭吾が第2細菌学教室主任教授となった。平成7年、第2細菌学教室は微生物学講座第2へと講座名称が変更された。平成19年6月、九州大学准教授であった水之江義充が細菌学講座担当教授となった。また、同年講座名称は微生物学講座第2から細菌学講座へと変更された。
 平成21年、細菌学教室設立から数えて100年目を迎えた。これを記念して5月23日、記念講演会および記念祝賀会を開催した。大学1号館講堂において、本学分子疫学研究室浦島充佳准教授(現教授)により「パンデミック・インフルエンザ」の演題で記念講演が行われた。おりしも豚由来の新型インフルエンザの勃発と重なり、注目を集めた。東京プリンスホテルにおける記念祝賀会には、細菌学教室同門のほか、栗原敏学長(当時)をはじめとした本学教員、近隣大学の微生物学関連分野の研究者などにも参加いただき、盛会であった。細菌学教室同門会はさつき会の名称で、毎年5月に開催されている。
教 室 員   
 現在教室員は水之江以下13名である。田嶌亜紀子講師、岩瀬忠行講師、杉本真也講師、奥田賢一講師、千葉明生助教。職員は湯浅佑美研究補助員、上野聡美研究補助員。大学院生は吉井悠(呼吸器内科より再派遣)、米本圭吾(整形外科より再派遣)。MD-PhDコースの学生は岡井智瑛(医学科5年)、花輪和(医学科3年)。留学生はアノレリ・ロペス(小児科医、キュリー大学、フランス)。
教    育   
 教員は、臨床基礎医学後期(細菌・真菌と感染、感染症総論)の講義、細菌学実習、免疫学実習、演習として感染・免疫テュートリアル、研究室配属などを担当。また、看護学科(国領校)2年次学生に微生物学、看護専門学校(西新橋校)1年次学生に感染と免疫、柏看護専門学校1年次学生に微生物学の講義を行っている。
研    究   
 平成29年現在、当講座の掲げる主な研究テーマは以下である。
?バイオフィルム形成のメカニズムの解明およびバイオフィルム感染症の予防・治療法の開発
?VNC:viable but nonculturable(生きているが培養できない)病原細菌の分子メカニズムの解析
?バイオフィルム感染症によるアミロイドーシス発症メカニズムの解明 平成27年4月、本学の先端医学推進拠点群の一拠点として、細菌学講座が中心となり慈恵医大バイオフィルム研究センターが設立された。本学の基礎研究部門、臨床部門、学外研究機関が緊密に連携することにより、バイオフィルム感染症に関する研究を推進する。

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