社団法人東京慈恵会医科大学 同窓会

 
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2019年10月25日 大学講座シリーズ
「臨床検査医学講座」
講座担当教授 松浦 知和


【臨床検査医学講座について】
 臨床検査医学講座は、昭和52年11月1日、生理学出身の井川幸雄教授によって創設されました。臨床検査医学講座(Department of Laboratory Med-icine)という講座名称を、わが国の医学部・医科大学において最初に冠された講座であります。本講座の創設にあたっては、当時の阿部正和第8代学長の“臨床検査を学問として体系化し、研究を行い、学生に教育し、診療に生かす”という強い思いがありました。昭和56年ごろ筆者が医学生として井川教授の講義に出席した時に、阿部学長が一緒に来られて、“臨床検査医学は大変重要だから、きちんと講義を聞いて勉強しなさい”という趣旨を話されたのを覚えています。阿部学長が講義前に教室に来られ、薫陶されたのは、泌尿器科南武名誉教授、病理学松本武四郎名誉教授と井川教授の講義3回だけでした。講座は創設当初より、基礎講座として位置づけられていました。開設当時、「とかく臨床医学から遊離しがちな基礎医学を、臨床医学により接近して頂くために、基礎と臨床の橋渡し的役割を臨床検査医学講座に果たしていただきたい」との期待がありました。当講座は、内科・精神科・外科出身の中央検査部医師および薬学・細菌学・体力医学出身の基礎医学の教員、合計15名ほどで構成されています。第2代町田勝彦教授(細菌学出身)が在任中逝去された後、10年間構成員全員で教室を支え、平成25年4月より臨床講座に改組されました。平成26年1月より内科学出身の松浦知和が第3代講座担当教授として就任しています。検査に関する学生実習・講義等を担当するとともに、研究面では、講座創設時の精神に従い、基礎医学と臨床医学の架け橋となるトランスレーショナルリサーチを推進しています。

【中央検査部について】
 すでに、本学附属病院には昭和34年(10月1日付け)に中央検査室が誕生し、医化学、細菌学、病理学および生理学の基礎講座の協力のもと、ルチーン検査は中央検査化されていました。それ以前は、「検査は医師の手で自らおこなうもの」との考えが一般的であり、基礎医学講座内で個別に行うことが当たり前でした。附属病院内検査の中央検査化については、昭和34年当時の若き指導者であった上田泰教授(当時第4内科)、石川栄世教授(病理学)、阿部正和助教授(当時生理学)、近藤勇助教授(細菌学)、松田誠講師(医化学)が精力的に活動し、中央検査室(現中央検査部)が開設されました。以来60年の年月を経て、西新橋附属病院、飾医療センター、第3病院、柏病院において中央検査部が日々稼働しています。検査に関わる臨床検査技師は、150名に上り、認定血液検査技師・認定臨床微生物検査技師・認定輸血検査技師などの高い技量をもつ検査技師が養成されています。多くの検査機器は自動化され、一見機器があれば検査は回っているようにみえますが、日々の精度管理、サンプル管理、データ管理などの検査室管理が重要です。現在、中央検査部の海渡健部長(教授)と池田勇一技師長を中心として、公益財団法人・日本適合性認定協会による臨床検査室の認定(ISO15189)を受けるための検査室管理体制の改正を附属病院中央検査部で行っています。ISO15189の認定を受けることによって、“がんゲノム医療にも対応した病院”への発展に寄与しています。また、島津製作所・田中耕一氏のノーベル賞受賞技術から発展した質量分析装置がすでに細菌検査に導入されており、これによってより早く細菌を同定し、感染症の早期治療へ貢献しています。このように、現代の臨床検査には次世代シークエンサーや質量分析装置など基礎研究の最先端技術が導入されています。最先端の知識と技術を学びながら、講座と中央検査部所属の医師、教員、臨床検査技師がお互いに協力して、日々の検査の質をあげる努力をしています。

【研究と教育】
 これからの臨床検査医学の研究テーマとしては、質量分析技術の実装、ゲノム医療関連検査の構築、感染症対策(分子レベルからパンデミックまで)、医療情報の管理・応用(データの共有化と個人情報保護)、AIの医療応用、医療安全などがあげられます。この中で、質量分析技術に関しては、島津製作所との共同研究が始まっており、中央検査部に血液検査用の自動化質量分析装置を設置し、25―OHビタミンD濃度測定が倫理委員会の承認のもと開始されています。ビタミンDの過不足判定の“物差し”となる基準範囲の設定のため、約一万サンプルの血清を測定する予定です。
 医学生教育では、4年生前期の基本的臨床技能実習で、総論・生化学検査・超音波検査、採血・血液検査、心電図・血液ガス・呼吸機能検査、尿・感染症・脳波検査について、10名ずつのグループに対し計40回の実習を行っています。さらに、4年生後期から5年生前期には、見学型臨床実習の一環として、Re-versed CPC、検査室見学実習を行っており、4附属病院の検査技師の方々にも医学生教育に協力していただいています。さらに、卒後の臨床検査専門医プログラムに沿って、専門医の育成にも努力しています。
 これからも臨床検査医学講座と中央検査部は、大学と附属病院の土台を支える存在として、たゆまず努力を重ねていきたいと思います。










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