トップページ

東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2019年11月25日 第136回成医会総会シンポジウム
「新病院・新外来棟オープンに向けて」
司会 慈恵大学理事 浅野晃司
総括 附属病院長 井田博幸


 冒頭に浅野晃司慈恵大学理事から新外来棟・母子医療センターの概要・特徴(総床面積4万m2、関連科を近接して配置するゾーニング、外来のフリーアドレス制、PET‐CTなどの充実した放射線機器、ハイブリッド手術の整備、Cell Processing Fa-
cilityの設置、MFICUの新設、PICU・NICUの増床など)について説明があった。
 猿田雅之教授(内科学講座消化器・肝臓内科)からこれからの消化器疾患診療のあり方について、多様化かつ増加している消化器疾患に対応するため消化器・肝臓内科を中心にしたチーム医療を展開するとともに消化器・肝臓内科を「消化管」・「肝臓」・「胆膵」・「腫瘍」グループに細分化する方針が提示された。
 安保雅博教授(リハビリテーション医学講座)からオリンピック・パラリンピック開催に関連して、当院が取り組むべき課題について広報・院内対応の国際化が急務であり、そしてこれを機に健康寿命の重要性が提唱されるので検診・食事・運動などについて慈恵大学の特色を活かした取り組みが重要であることが提唱された。
 矢野真吾教授(内科学講座腫瘍・血液内科)から新外来棟におけるがん診療の方向性に関して、今後はがん患者の就労支援、アドバンス・ケア・プランニング、アピアランスケアを含む機能的サポートの充実を図っていく方針が提示された。その一環として新外来棟一階にがんサロン「ソレイユ」が設置される予定となっている。
 小林正久准教授(小児科学講座)から周産期センターにおいて、複雑で重篤な新生児例の増加により、NICUの回転率が低下しているため、また院内感染のためハイリスク妊婦の受け入れが困難になってきているという課題が挙げられた。この対策としてGCUに慢性期病床を整備するとともにNICU・GCUを半個室化する方針である。
 山下正和師長(看護部)から新外来棟・母子医療センターにおいては慈恵看護の理念、すなわちナイチンゲール看護の継承と実践を基礎にして、患者・家族の利便性を考えた看護体制や働き方改革を見すえた効率性を重視した診療構築のためのサポート体制などの看護部の方向性が示された。
 最後に炭山和毅教授(内視鏡医学講座)からAI時代の働き方に関して、医学におけるAIの進歩は著しいがAIを活用するのは医師なのでそのための教育が必要であり、またコミュニケーションギャップをどのように埋めていくかは重要な課題であるとの講演が行われた。
 本シンポジウムを通して慈恵大学の教職員が新外来棟・母子医療センターをどのように発展させていくかを考え、またこれからの医療を考える機会になれば幸いである。
(附属病院長 井田博幸)

top