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東京慈恵医科大学同窓会

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2019年11月25日 臨床研究法施行後の臨床研究を取り巻く昨今の状況
臨床研究支援センター 保野慎治


 臨床研究は、臨床的意義のある研究仮説、科学的・倫理的妥当性、データの信頼性、実施可能性を担保することを基本とし、関連する法令・指針を遵守し実施する必要がある。2018年4月に臨床研究法が施行され、研究者は治験に近いレベルでの実施が求められることになった。法への対応が主な議論の対象となっているが、法や指針を遵守することは臨床研究実施の必要条件であるが十分条件ではなく、研究内容そのものが重要であることに変わりはない。臨床研究を取り巻く状況としては、?日本医療研究開発機構(AMED)の設立など国の体制整備、?指針改訂や法の整備、?臨床研究中核病院といった研究実施体制の基盤整備、?リアルワールドデータの利活用推進、?医療分野以外も含めた技術の進歩が挙げられる。
 本講演では?を切り口に、AMEDの次期5ヵ年の基本方針となる医療分野研究開発推進計画の作成に向けた動き、その資料となったJST研究開発戦略センター作成の「研究開発の俯瞰報告書��ライフサイエンス・臨床医学分野(2019年)」、統合イノベーション戦略に基づき昨年設置された統合イノベーション戦略推進会議および統合イノベーション戦略2019を紹介し、国が注目する健康医療分野の研究開発項目について説明した。研究を取り巻く状況は複雑化しており、それらにどう対応し(対応しないも含め)研究を推進して行くかの判断を研究者は求められている。

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