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東京慈恵医科大学同窓会

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2020年02月25日 大学講座シリーズ(43) 「内視鏡医学講座」
講座担当教授 炭山 和毅教授


 沿     革 
 本講座は、平成30年10月1日に内視鏡科が改称および改組されることで開設された。その端緒は、昭和38年に創設された中央診療部内視鏡科にある。その後、昭和61年に初代渡辺豊教授のもと特設臨床科目として内視鏡科が独立した。日本で二番目に発足した内視鏡科で、今では最も長い歴史を持つ。その後、平成2年に鈴木博昭教授、平成13年に田尻久雄教授へと引き継がれ、平成27年から私が内視鏡科四代目の教授に就任し、この度の講座化に伴い初代の講座担当教授となった。慈大内視鏡の伝統を継承発展させた結果、現在、本院では、毎年2万件以上の内視鏡検査・治療が行われるようになり、4病院の合計では48000件にも上っている。すでに世界最大級の内視鏡センターへと成長したと言っても過言ではない。医局員数は、教授も含め3名からスタートであったが、現在は大学院生2名を含む28名が所属している。
 また、学術的には早期癌の内視鏡診断・治療や静脈瘤治療、さらには産学医工連携研究において国際的観点からも先駆的役割を担ってきた。昭和34年に発足し、現在約34000名の所属会員数を誇る日本消化器内視鏡学会は、本年、第100回記念学術総会を迎えるが、本学は過去5回の学術総会を主催している(第3回・高橋忠雄教授、第25回・長尾房大教授・第34回総会・渡辺豊教授、50回記念大会・鈴木博昭教授、第79回・田尻久雄教授)。また、田尻久雄教授は、第五代日本消化器内視鏡学会理事長も務められた。
 内視鏡医学講座では、あらゆる内視鏡診断・治療に対応できる診療体制を整えるとともに、領域を限らず医工産学連携を一層推進させることで、次世代医療に挑戦し続けるための教育研究組織の拡充を図っている。
 診     療 
葛飾医療センター内視鏡部診療部長・准教授
加藤 正之
 当院は平成24年の1月5日より旧青戸病院から�[飾医療センターとしてリニューアルした。大部分の患者層を葛飾区民で占めており、地域の内視鏡診断・治療に貢献できるようスタッフ4名で努力している。葛飾区には大学病院が慈恵医大しかないため、可能な限り自己完結できるよう、質の高い内視鏡診断・治療を提供することを心がけてきた。結果として、年間内視鏡検査・治療総数はリニューアルした平成24年度の7359件から、平成30年度には9178件と順調に上昇している。

第三病院内視鏡部診療部長・准教授
池田 圭一
 高齢者の比率が高いという地域特性を持つ第三病院においては、高齢者に優しい医療、Empathy based medici-neを合言葉に、他の診療科や多職種と連携したチーム医療を重視した診療体制の整備が重要と考えている。看護の面では、事前問診によるアセスメントの強化や麻酔回復スコアの導入などにより、高齢者に優しい内視鏡を実現すべく日々診療に臨んでいる。また、胆膵内視鏡は特に力を入れている分野であり、SpyglassTM 胆管鏡などの新規医療も積極的に取り入れ、常に高いレベルの内視鏡診療を提供できるような体制整備を心がけている。また、5年後に竣工予定の新病院には、現状の連携体制をますます発展充実させた消化器・内視鏡センター(仮称)が設置されることが決定した。

柏病院診療部長・准教授
荒川 廣志
 柏病院は人口148万人の東葛地域六市(松戸、流山、我孫子、野田、柏、鎌ケ谷)の基幹病院であり、地域唯一の大学救命救急センターを有する。内視鏡部は4名体制(荒川廣志、安達世、小山誠太、番大和)で、消化器・肝臓内科、外科、救命救急部と協力し内視鏡診療を行っている。柏病院は東葛北部五市GIB(消化管出血)ネットワークの一員であり、重症緊急症例や全身状態の悪い症例も多く、救急救命センターにおける全身管理下での緊急内視鏡も実施可能な体制を整えている。

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