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東京慈恵医科大学同窓会

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2020年02月25日 慈恵医大女性医師キャリア支援室活動報告(その18)
皮膚科における女性医師の現状と取り組み
皮膚科学講座担当教授 朝比奈昭彦
皮膚科学講座講師 石氏陽三(平13)


 皮膚科は、眼科、産婦人科及び麻酔科などと並び女性医師が多い診療科のひとつである。日本皮膚科学会員の新規入会者の64%、30歳以下の会員の70%が女性医師である。また、女性医師の卒後進路は、卒後5〜10年以内に7割退局、卒後15年以上医局に在籍しているのは1割であることが報告されている。つまり過半数を占める女性医師のほとんどは常勤勤務医として10年を超え働いていない。その理由は、?専門医制度の弊害と思われる医局離れ:専門医取得による向上心の喪失、?ロールモデルとなる女性医師の欠如、?夫の転勤、?育児中の病棟勤務・当直への不安、?出産育休後のモチベーション低下などが考えられる。実際に当科でも全医局員中、女性医師の数は約63%で、30歳以下の医局員の約75%が女性医師である。また、女性医師の約27%が3歳以下の子供を持ち短時間勤務制度(時短制度)を取得している。
 そのため、当科でも女性医師サポートのため、慈恵医大の就業規則に則り、?時短制度導入、?当直免除、?時短制度利用時間でも外勤先の割り当てによる経済的援助、?急な子供の体調不良時の勤務免除体制の充実などを図っている。また、個人の専門領域の深化を目指す体制のサポートや、やむを得ず退職した場合でも、非常勤として、専門的診療を大学で継続できるように取り計らっている。今後、更なる女性皮膚科医の増加が見込まれるため、現状の制度、対策の更なる改善も必要と考えている。

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