社団法人東京慈恵会医科大学 同窓会

 
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2020年03月25日 第1265回成医会例会開催

ノーベル生理学・医学賞受賞
北里大学特別栄誉教授・北里研究所名誉理事長 大村 智氏による講演
「微生物創薬に携わって半世紀」


 第1265回成医会例会が令和2年2月4日、平成27年のノーベル生理学・医学賞受賞者である北里大学特別栄誉教授、北里研究所名誉理事長、日本学士院会員、米国ウエズリアン大学マックステイシュラー名誉教授、女子美術大学名誉理事長である大村智氏をお招きして開催された。
 大村氏は微生物の生産する有用な新規天然有機化合物の発見を目指し、今日でいう産学連携のお手本ともされる独創的な研究活動をいち早く推進、500種類余の化合物を発見、このうち26種は医業、動物薬、生化学研究用試薬、農業用薬剤として全世界で広く使われている。この数字は世界的にみても突出したご業績であり、大村氏が「微生物代謝産物の王」と称されるゆえんである。特に、氏の発見された抗寄生虫薬、イベルメクチンは熱帯病のオンコセルカ症(河川盲目症)、およびリンパ系フィラリア症の他、糞線虫症、かいせん症の予防・治療特効薬として現在も広く用いられており、ノーベル生理学・医学賞推戴の大きな理由となった。さらにイベルメクチンの発見により途上国を中心に2億人以上の民を貧困、病苦から救ったともされ、ノーベル平和賞の資格も十二分と評価されたとのことである。1892年(明治25年)破傷風菌の純粋培養に成功した北里柴三郎博士の伝染病研究所設立をルーツとする北里研究所の本流とも言える先生のご講演に一同大いに感銘を受けた次第である。
 ご講演の合間には、氏の大切にされているいくつかの金言をもご披露いただいた。「財の独立なくして学の独立なし(福沢諭吉)」、「金がないから何もできないという人間は金があっても何もできない人間である(小林一三)」、「つみ重ね、つみ重ねても、またつみ重ね(内藤多仲)」、そしてご自身が特に留意されている言葉として「組織に働く者が成長するとき、組織はさらに多くを成し遂げる」をもご紹介された。32名の教授を輩出し、学位取得者120名を数える一門を長らく率いてこられた深いご経験に裏打ちされた、たいへんに貴重なお言葉と承った次第である。氏は山梨大学学芸部自然科学科のご卒業後、定時制の東京都立隅田工業高校の教諭(物理・化学担当)を五年ほど勤められた。その間、高校の授業終了後、あき時間を東京理科大でのNMRによる物理構造同定の研究にあてられた。「寝袋持参でやってたんです、教諭時代は体育まで担当しました、大変でした」と屈託もなく笑っておられた。氏のバイタリティーを評して、「三人分の人生を生きている」というものがあるそうである。「人材は輩出するのではなく、育成するもの」と謳う氏の教育者としての人生哲学にも触れることのできた、非常に有意義なご講演であった。
(成医会運営委員長 泌尿器科学講座教授 頴川 晋記)










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