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東京慈恵医科大学同窓会

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2023年03月25日 佐々木寛客員教授(昭50)
第63回日本人間ドック学会学術大会を開催


 この度佐々木寛客員教授は、公益社団法人日本人間ドック学会第63回学術大会を幕張メッセ国際会議場で令和4年9月2日〜3日の現地開催、9月12日〜30日のWeb開催を実施された。産婦人科医が本会の学術大会長を務めるのは初めてであり、メインテーマも「女性のための人間ドック」として、学会の長い歴史の中でも画期的な大会となった。新型コロナウイルスの影響で、3年ぶりの現地開催となったが2,403名の参加、Web開催は4,129名の参加があり、延べ視聴数は36,390回となった。学術大会の前日には自見はなこ参議院議員のご列席を賜り、「HPVワクチンの勧奨再開」をメインテーマに記念講演を行なうことができた。この講演には、門田守人日本医学会会長にもご出席いただき、大いに盛り上がった。また、山口建静岡県立静岡がんセンター総長(佐々木教授の高校時代の同級生)も駆けつけてくださり、同級生の有り難みを大変感じたそうだ。
 今回の学術大会では、メインテーマ「女性のための人間ドック」に沿って会長講演として「女性のための人間ドック―子宮頸がん撲滅のための全世界的取り組み―」と題して、職域やドックでの乳がん・婦人科がんの精検受診率低さが死亡率上昇の一因であり、どう改善すべきかを三原じゅん子参議院議員との対談で、参加者の皆様(現地参加387名、Web参加893名)をも含め討論を行い、学会での成果を政策にいかに反映させるかが大事だとの結論が得られた。
 主要プログラムには、子宮頸がん検診、乳がん検診、女性特有の疾病に対する健診など女性をテーマとした内容が企画された。人間ドックには健康状態を調べる「健診」と特定の疾患の早期発見という「検診」がある。その中でも「がん検診」は適切な精度管理のもとで実施することが最も重要なのだが、人間ドックが対象としている職域がん検診では体制が整っていないことが指摘されている。今回は精度管理に関する講演なども多く企画され、佐々木教授の新しい風を吹き込むという意志が感じる大会であった。
 現在、佐々木教授は、千葉県内の機関病院の婦人科部長として勤務されている。また、昨年レディース健診クリニックを開設され、女性の健康と就労の支援の貢献をされている。学会のメインテーマを実践されるクリニックとして発展すると思われる。
 今後も学会活動だけでなく実地臨床にも更なるご活躍をお祈りしたい。
(小田瑞恵記)

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