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東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2013年06月25日 生涯学習センターだより平成25年5月11日(土)開催
 「疲労のメカニズムと疾患の関係」 ウイルス学講座 近藤一博


 疲労は、ストレス等の蓄積による心身の機能不全と、それを脳が認識する疲労感によって構成される。疲労感はやりがいや報酬によってマスクされやすく、疲労感無き疲労は、うつ病や様々な慢性疾患の危険因子となる。このため、従来の疲労感に頼った健康管理は危険であり、客観的な疲労評価法の開発が必要である。また、疲労の分子機構は不明であるため、多くの疲労回復法の有用性は、科学的な実証が行われていない。
 本学では、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「疲労の分子機構の解明による健康の維持と増進を目的とする医学研究拠点の形成」(研究代表��柳澤裕之教授)による疲労研究が進められている。この研究の中で、ヒトヘルペスウイルスによる客観的疲労測定法の開発や、疲労因子の同定などの疲労の分子機構の解明が行われている。これらの研究成果を利用して、ハイキングなどの軽い運動が疲労回復を促進する分子機構や、イミダゾールジペプチドなどの栄養成分の抗疲労効果が科学的に証明された。また、疲労が脳機能に与える影響の分子機構の解明も進行中で、近い将来、疲労がうつ病や自殺を誘導する仕組みの解明やその予防法の開発も可能になると考えられる。

次回月例セミナー予告
日 時 平成25年7月13日(土) 午後4時
場 所 慈恵大学病院中央棟8階会議室
テーマ 「新しい骨粗鬆症の病型分類にもとづく治療薬の使いわけ―生活習慣病は要注意―」
講 師 斎藤充准教授(整形外科)

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