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東京慈恵医科大学同窓会

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2013年07月25日 第34回慈恵医大夏季セミナー
腰部脊柱管狭窄症 薬物と手術療法の進歩
脳神経外科 谷   諭


 腰部脊柱管狭窄症は中高年に多く発生する疾患である。比較的長期間の関節症性変化などにより、馬尾神経を容れる脊柱管が狭窄し神経症状を来す。症状は神経全体の圧迫からくる下肢のしびれ感や冷感、突っ張り感、痛みなどが多く、歩行で悪化し、休息にて軽快する「間欠性跛行」が多く見られる。理学療法には治療効果を期待する事が出来ず薬物療法が主体となる。圧迫された馬尾神経の微小循環改善を目的としたプロスタグランディンの投与、さらに疼痛に対し従来のNSAIDsの他に末梢神経性疼痛抑制薬としてのプレガバリンやオピオイド製剤の処方も可能になり、痛みに対するコントロールが行いやすくなってきた。
 薬物療法に抵抗性の場合、手術療法が視野に入る。最近では、より低侵襲である、片側から進入し神経組織の除圧をはかる手術などが行われており、術後翌日より歩行を開始して、4日目以降は退院可能である。

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