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東京慈恵医科大学同窓会

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2013年11月25日 日暮憲道君(平13)米国小児科学会にて
Fellow Exchange Program Awardを受賞



 小児科学講座、日暮憲道君(平13)が平成25年5月に米国ワシントンDCにて開催された米国小児科学会学術集会(Pediatric Academy Society Annual Meeting)において、Fellow Exchange Program Awardを受賞した。同賞は米国以外からの優秀演題に対して贈られるものであり本学では櫻井謙君(平10)以来の受賞である。
 日暮君は平成21年夏より福岡大学医学部小児科(廣瀬伸一教授)へ国内留学し、てんかんの遺伝子、分子病態研究を精力的に行ってきた。その成果は世界的にも高い評価を受けている。また平成22年から慶應義塾大学医学部生理学教室(岡野栄之教授)との共同で、乳児期発症の難治てんかんの1つであるドラベ症候群の患者皮膚より人工多能性幹細胞(iPS細胞)を樹立し、その病態研究を進めてきた。その結果、細胞レベルでてんかんの病態を再現することに世界に先駆けて成功し、数多くのメディアにも取り上げられている。これまでに多くの神経疾患で、患者から作成したiPS細胞を利用した疾患モデルが確立されてきたが、「てんかん」については、細胞レベルでの解析の困難さから、近年まで報告がなかった。
 日暮君は、患者iPS細胞から分化誘導した神経細胞に対して、斬新なアプローチで疾患病態に関わる神経細胞を選出し、その機能変化を同定することに成功した。この結果は、直ちに疾患治療に役立つものではないが、これからのてんかんの病態・治療研究に大きな影響を与える研究である。今後、脳神経科学の研究をリードするべく益々の発展を期待する。(小児科学講座 浦島崇記)

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