トップページ

東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2013年12月25日 大江裕一郎君(昭59)
日本臨床腫瘍学会理事長・世界肺癌学会理事に就任


 この度、国立がん研究センター東病院副院長・呼吸器内科長の大江裕一郎君(昭59)が、平成25年8月に日本臨床腫瘍学会理事長に、同年10月には世界肺癌学会(The International Association for the Study of Lung Cancer : IASLC)理事に就任された。大江君は昭和59年に本学を卒業後、昭和61年に旧第2内科(宮原正教授)へ入局され、平成元年より国立がんセンター病院(現国立がん研究センター中央病院)および国立がんセンター東病院(現国立がん研究センター東病院)にて薬物治療を中心とした肺癌の診療および研究に従事してこられた。
 日本臨床腫瘍学会は平成5年に発足した日本臨床腫瘍研究会を前身として、平成14年に設立された比較的新しい学会ではあるが、がんに対する薬物治療を専門とする腫瘍内科医を中心に、現在では9,000名近い会員が所属する学会であり、がん薬物療法専門医の認定も行っている。近年の分子標的薬の登場により、がんに対する薬物治療は急速な進歩を遂げており、近い将来のがん治療の中心となると期待されている。日本では2人に1人が生涯でがんに罹患し、3人に1人ががんで死亡しているが、急速な高齢化の進行により、がん患者は今後も増加すると予測されている。がんに対する薬物治療および腫瘍内科の重要性はますます増しており、日本臨床腫瘍学会が果たすべき役割は大きい。
 世界肺癌学会は昭和49年に設立された国際学会で、80ヶ国の約3,800名の肺がん研究者が所属しており、2年に1回の世界肺癌会議などの開催、機関誌Journal of Thoracic Oncologyの刊行を行っている。世界肺癌学会の理事は世界各国より自薦・他薦により立候補した多くの候補者を指名委員会が3名毎のグループに選抜し、最終的には全世界の会員によるインターネット選挙で3名の中から1名が選出される。まさに、世界中の会員の信任により選ばれた理事である。
 卓越した才能に奢ることなく常に努力を惜しまない大江君の姿勢は、既に学生時代から確立していたように思う。私のひとつ先輩にあたるが、所属していた柔道部が東日本医科学生総合体育大会(東医体)・全日本医科学生体育大会(全医体)を制覇できたのは、大江君の強いリーダーシップと統率力の賜物であった。また、旧第2内科でも一緒に仕事をさせて頂いたが、新たな分野に情熱を持って切り込んで行く姿勢に常に圧倒されていた。このような人格と業績が広く世界に認められ、今回の要職への就任になったことは誠に嬉しい限りである。日本の臨床腫瘍学および世界の肺癌研究のリーダーとして、大江君の益々の活躍を期待している。(厚木市立病院院長 山本裕康・昭60)

top