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東京慈恵医科大学同窓会

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2014年03月25日 第85回慈大呼吸器疾患研究会開催

 平成25年9月30日(月)、本学西新橋校南講堂において第三病院呼吸器外科・佐藤修二准教授と第三病院呼吸器内科・齋藤桂介助教が当番世話人となり、第85回慈大呼吸器疾患研究会が開催された。前半の症例検討会は2症例が発表された。そして、後半の特別講演では岡田全司国立病院機構近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター長をお招きし、「新しい結核ワクチンの開発研究」と題して講演をいただいた。
 症例検討会の一例目は荒屋潤講師(本院呼吸器内科)の司会の下、小田島丘人助教(第三病院呼吸器内科)より「間質性肺炎の加療中に発症した肺多発結節影の一例」が発表された。間質性肺炎ステロイド加療中にムコール、アスペルギルス感染を発症した症例で画像所見については三角茂樹助教(本院放射線科)より、病理所見については鈴木正章教授より解説をいただいた。胸部CT所見と病理所見の対比を中心に活発な議論が行われた。二例目は神谷紀輝助教(本院呼吸器外科)司会の下、神長桃子医師(本院呼吸器内科)から「難治性気胸を繰り返した若年男性の一例」が発表された。画像所見については三角茂樹助教(本院放射線科)より、病理所見については原田徹講師より解説をいただいた。本例は、その後に他大学で肺移植を行われた症例であり、症例の転帰についての説明、コメントがあった。
 特別講演の岡田先生は大阪大学で岸本忠三先生とIL―6の発見、遺伝子クローニングにつながったB細胞分化因子を発見し、現在HSP65DNA+IL―12 DNAワクチンというBCGの一万倍の予防効果が期待されるワクチンの研究等を行っている。当日はこのワクチンが予防効果だけでなく治療効果も期待でき、これから多剤耐性結核患者に対する臨床試験が始まること、キラーT細胞が産生するgranulysinを利用したgranulysin DNAワクチンの実験データ等の内容をお話しいただいた。これらは日本が世界に誇る研究であり、大変興味深く、感銘を受ける素晴らしい講演であった。慈恵医大の基礎系、臨床系、および学外からも含め、41名が参加し、活発な討論が行われた。今後の臨床、研究の上で有意義な研究会であった。
(呼吸器内科 齋藤桂介記)

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