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東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2014年05月25日 腎臓・高血圧内科特別講演会開催される
―桜井健治君(昭44)らを講師に
On-line HDFに関する最新の知見を聴く― 


 平成26年1月23日大学1号館五階講堂において、法政大学生命科学部環境応用学科生体化学工学研究室山下明泰教授、本学昭和44年卒業の桜井健治君(昭44)による特別講演会が開催された。本会は腎臓・高血圧内科の主催により、現場の第一線でご活躍の先生方を招聘し血液浄化療法の最新知見をご教示いただくことを目的に企画されたもので、医局員をはじめ同窓など多数の参加があった。
 血液透析濾過(HDF hemodiafiltration)とは通常の血液透析に加えて血液濾過を行うことで小分子から中分子までの尿毒症毒素を幅広く除去することを目的に開発された血液浄化法であり、この治療によって様々な長期透析合併症から回避し、QOLや予後の改善が得られることが期待されている。On-line HDFではこのシステムを施設全体でOn-line化して行うことで多量の濾過液を使用できるため、更に治療効率が上昇するとされる。
 講演会の前半は山下教授による講演で、演題は「HDF“ガラパゴス”が世界標準に与えたインパクト」であった。山下教授は生体工学がご専門であり、HDFの効率を決定する透析膜や透析液の性質の違いが透析患者の生命予後に与える影響について内外のメガスタディの結果をもとに概説、特に諸外国で使用される透析膜の違いに起因する研究結果の解釈上の注意点などを強調された。
 後半は桜井君による講演で、演題は「On-line HDFの有用性と最適条件」であった。桜井君は本学卒業後、北里大学泌尿器科を経て昭和55年より現在のクリニックで長年にわたり透析療法に従事されるとともに、68歳の現在も、内外の学会発表、国際誌への論文の投稿など精力的に活動を続けられている。今回は、HDFの有用性、至適条件に関する検討結果を紹介された。
(坪井伸夫記)

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