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東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2014年06月25日 第60回同窓会通常総会 理事長・学長からのご報告
学校法人慈恵大学 理事長 栗原  敏
東京慈恵会医科大学 学長 松藤 千弥


 【平成26年5月17日(土)第60回同窓会通常総会が開催され、会の中で栗原敏理事長、松藤千弥学長よりご挨拶をいただきましたので以下に全文を掲載いたします。】

 同窓会におかれては、日頃、大学をご支援下さり感謝している。学校法人慈恵大学全般に関することについては理事長が、大学に関することは学長がご報告する。

1.大学の事業について
(1)本院外来棟建築を中心とした西新橋再整備計画について
 これまで検討してきた本院外来棟建築を中心とした西新橋再整備計画が具体的になりつつある。隣地の港工業高校跡地(都有地)が東京都から50年間借用できることになったので、大学所有地と都有地を合わせてこれまで検討してきた計画を見直している。都有地の借用に関連して、都の政策的医療(救急医療、小児医療、周産期医療、災害医療など)を実践しなくてはならないという条件があるので、それを考慮して西新橋キャンパス再整備計画を立てる。
 西新橋キャンパス周辺環境はこれから著しく変化するので、そのような環境変化を十分に考慮した外来棟と西新橋キャンパスの在り方を考えたい。
 これを実現するには、質の高い医療人が必要とされるので、人材の育成に努めることが肝要であると考えている。
 また、これまで資金計画を綿密に立ててきたが、建築資材の高騰、消費増税、診療報酬改定などの影響で、予算を見直すことが必要になっている。この事業を遂行するには、中期目標・中期計画に基づいて着実な歩みを進めることが肝要であると考えている。
(2)その他の事業
 柏病院は40床増床に伴い、現在の病院に隣接して新棟(D棟)を建築中である。地域の医療ニーズに応えられる地域中核病院として機能の充実が図られる。第三病院は、今年1月から電子カルテが導入された。また、医局棟の建築が始まった。飾医療センターは、地域住民の強い要望に応えて放射線治療を行うための別館を建てて、地域医療に一層貢献する。
2.財務に関する件
 平成25年度決算の詳細は、理事会、評議員会に報告し、承認を得た後、周知するが、予算を達成することができ堅調である。今後の事業に備えて健全な財政基盤を一層強固なものにしていかなくてはならない。
3.大学としての取り組み
(1)法令遵守
 教職員の法令遵守精神を涵養するよう努めている。特に、公的資金の適正使用について内部監査体制を強化している。
(2)経費削減の取り組み
 今年から、コストマネージメント・プロジェクトを立ち上げ、教職員のコスト意識を向上させ、経費の見直しを図ることになった。
(3)医療に関する件
 丸毛啓史附属病院長のリーダーシップにより、医療安全を第一とする質の高い医療の提供に努めている。特に、管理者のための医療安全と感染対策研修会を開催し、出席を義務化する。また、引き続き四附属病院の特色化と連携を推進している。本院は特定機能病院としての評価基準が変わるので、対応していくことになっている。
4.大学改革に関する件
 大学運営は松藤千弥学長の下で、研究の活性化と教育改革を行っており、これについては学長から報告がある。学長のリーダーシップを尊重して改革を支援している。
5.教育改革の推進
 文部科学省の二つの教育改革推進事業によって、医学教育改革を推進している。ひとつは平成24年度に採択された「診療参加型臨床実習のための系統的教育の構築(臨床実習GP)」であり、国際標準の医学教育を目指して臨床実習の充実を図る。平成27年度から導入する新カリキュラムでは、医学生は四年生の夏から6年生の夏まで、2年間の臨床実習を受けることになり、前半の1年間は全科の見学型実習、後半の1年間は4週間10フェーズの診療参加型臨床実習である。また、本事業の一環として、今年の6月上旬に医学教育の分野別認証(国際認証)の外部評価を受審する予定である。
 平成25年度、新たな未来医療研究人材養成拠点形成事業として、本学の取り組み「卒前から生涯学習に亘る総合診療能力開発―地域における臨床研究の推進を目指して―(総合診療GP)」が採択された。日本が迎えている少子超高齢化社会に対応できる、高い総合診療能力を持った医師の養成を進めるもので、卒前教育では高齢者医療体験実習の導入、大学院ではプライマリケア現場で臨床研究を行う能力を持った医学研究者の育成、レジデントでは総合診療専門医養成コースの立ち上げなどが含まれる。
 看護学科では、平成25年度の1年生から新しいカリキュラムが導入された。その中の看護総合演習は、主体的な学習態度を涵養するための演習形式の統合型授業であり、ITを駆使したeポートフォリオも活用されている。
6.医学・看護学研究の活性化
 医学研究では、臨床医学講座が持つ豊富な研究資源、つまり研究人材とシーズを、高いレベルの研究に結びつけることが特に重要である。臨床医学講座と基礎医学講座の研究連携を促進するため、新たな学内研究費を創設した。また、大型の外部研究資金である私立大学戦略的研究基盤形成支援事業による学内横断的研究も学内の研究連携に役立っている。総合医科学研究センターは、本年四月から組織改革を実施し、先進的研究を推進するとともに、学内研究者への支援機能も充実を図っている。
 臨床研究については、昨年度降圧剤に関する臨床研究の論文問題を経験し、大学としては再発防止が最も重要と考え、今年4月より臨床研究支援センターを設置した。ここではプロトコール作成や統計解析の支援、モニタリング、監査などを行い、学内の適正な臨床研究を促進する。
 看護学分野では、看護学科、看護部、看護専門学校および看護学専攻修士課程が連携して進める研究の促進につとめている。
以上

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