トップページ

東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2014年06月25日 第86回慈大呼吸器疾患研究会開催
―基礎・臨床の医師48名が集う―


 第86回慈大呼吸器疾患研究会が平成26年3月10日、西新橋校大学1号館5階講堂において放射線医学講座担当福田国彦教授が当番世話人となり開催された。本研究会は前半の症例検討会と後半の特別講演で構成されている。
 症例検討会の第1症例は、呼吸器内科清水健一郎助教の司会のもと呼吸器外科尾高真講師より「診断および治療方針の決定に難渋した縦隔腫瘍の一例」が発表された。胸腔鏡下腫瘍摘出手術により、病理組織学的に原発不明リンパ節癌と診断されたが、原発不明癌のリンパ節転移と原発性リンパ節癌とでは治療法が異なるため、いずれに該当するか活発な討論がなされた。
 第二症例は、尾高講師の司会のもと第三病院呼吸器内科田村休応助教より「血性胸水に対し、局所麻酔下胸腔鏡検査にて診断した1症例」が発表された。胸腔鏡下生検で血管肉腫と診断され、短期間で骨髄癌症をきたしたまれな症例で、免疫染色を含めた病理組織像や原発巣について討論がなされた。
 特別講演は、放射線医学三角茂樹助教の司会のもと山口大学放射線科田中伸幸准教授に「日和見感染症の画像診断」の講演をいただいた。早期の日和見感染症の診断には高分解能CTが必要であること、モザイクパターンを示す広範なすりガラス様陰影はニューモシスチス肺炎、微小結節は真菌症やサイトメガロウイルス肺炎を示唆すること、免疫不全患者の結核は非典型的な所見を呈することなど、高分解能CT所見のパターンからみた日和見感染症について、百枚を超えるスライドで解説していただいた。初心者にも分かり易く、また専門家にも大変興味深い内容であった。
 48名の参加があり真剣な討論と質疑応答がなされ実りの多い研究会となった。関係各位に感謝申し上げる。次回は呼吸器内科担当桑野和善教授が当番世話人で平成26年9月1日に開催される。学内外から呼吸器診療にかかわる多くの皆様の参加をお待ちする。
(放射線医学講座 福田国彦記)

top