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東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2014年07月25日 西村理明准教授
第13回日本先進糖尿病治療研究会開催


 平成25年11月30日に、糖尿病・代謝・内分泌内科の西村理明准教授(平3)を当番世話人とした第13回日本先進糖尿病治療研究会が開催された。会場となった東京国際交流館プラザ平成は、次期東京オリンピックが開催される際、メイン会場になることが決定している港区お台場に位置している。
 タイトルは“先進糖尿病治療のさらなる発展をめざして”であり、先進糖尿病治療に特化した一般演題17題に加え、基調講演として、持続血糖モニター(CGM)とインスリンポンプ(CSII)が一体化した機器であるSAP(Sensor Augmented Pump)
による低血糖予防効果について、機器の開発担当者から欧米における現状と実臨床についての講演があった。
 ランチョンセミナーでは、インスリン開発に携わってきた研究者により、インスリン製剤開発の歴史から今後のインスリン製剤の方向性まで、開発者ならではの視点から、極めて興味深いお話があった。
 本会を締めくくる最後の二演題では、膵臓移植と再生に焦点が当てられていた。
 千葉東病院の関直人先生によって、CGMで観察し得た、膵臓移植の血糖変動に及ぼす影響についての講演があり、1型糖尿病患者さん特有の激しい血糖変動が、移植後には耐糖能正常者と見分けがつかない血糖の推移になることを多数の症例のデータを用いて提示され、その効果に一同、驚愕した。
 最後の特別講演として、京都大学iPS細胞研究所臨床応用研究部門の川口義弥教授から膵β細胞再生の最前線について、学会発表前のデータも含め非常にエキサイティングなお話があった。効率よく膵β細胞を再生するには、発生を理解し、β細胞を取り巻く構造まで考慮し、また、その課程における環境まで再現していくことが大切であるという、非常に高度な話題を、わかりやすく解説して下さった。講演時間の60分はあっという間に過ぎ去り、その後の質疑応答も熱のこもったものであった。
 総参加者数は183人に及び、皆、少なくとも一つは先進糖尿病治療に関する新しい知識を携えて帰路につかれたことであろう。(糖尿病・代謝・内分泌内科 宇都宮一典記)

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