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東京慈恵医科大学同窓会

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2014年08月25日 原 貴敏君 日本リハビリテーション医学会
最優秀論文賞受賞


 平成26年6月5日から7日にかけて名古屋国際会議場で開催された第51回日本リハビリテーション(以下、リハ)医学会学術集会において、リハビリテーション医学講座の原貴敏君(準平21)が日本リハ医学会最優秀論文賞を受賞した。これは、前年度(平成25年度)に学会誌The Japanese Journal of Rehabilitation Medicineに掲載された原著論文全てのうちで、最も優れた内容と評価された論文一編に対して贈られる賞である。
 原君の論文は「脳卒中後上肢麻痺に対する低頻度反復性経頭蓋磁気刺激(TMS)と集中的作業療法の併用療法が脳血流に及ぼす影響について」と題されたものであり、当講座が世界をリードして押し進める脳卒中後遺症に対するTMS治療に関する報告である。先進的なリハと位置付けられているTMS治療は、日本全国にある当講座の関連病院十施設以上で行われており、すでに全国で二千人以上の脳卒中患者が本治療を受けている。本治療によって脳卒中後の片麻痺や失語症が臨床的に劇的な改善を示すことはすでに国内外で複数の報告を終えていたが、本治療が脳循環代謝に及ぼす影響についての報告は、今回の原君の受賞論文が最初のものとなった。TMS治療に伴う脳血流変化を洗練された脳機能画像およびコンピュータープログラムを用いることで解析・検討した原君の報告は、近年注目を浴びるニューロリハビリテーションの分野全般からみても貴重なものとなるはずである。今後の原君の臨床医としての、そしてリハ医学研究者としての益々の発展を願うばかりである。
 なお、本学術集会では、当講座からは全国でも有数となる二十四演題が発表された。これらの発表はリハの様々な領域におよんでおり、脳卒中のみならずいかなる疾患にでも対応できる当講座の底力を見せることができたものと考えている。(角田 亘記)

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