東京慈恵医科大学同窓会
最新情報2014年09月25日 �盒狭�人君（平１６）
福島県立医科大学から感謝状
�盒況�は、慈恵医大腎臓高血圧内科による東日本大震災被災地の医療復興支援の一環として、福島県立医科大学附属病院で医療活動に従事された。感謝状はこれに対するものである。
先の大震災での原発事故発生後、医療者の異動・流出に伴い福島県内における医師数の減少は極めて深刻な問題となった。この影響は県内唯一の医科大学である福島県立医大においても例外ではなかった。震災のちょうど半年前から同大へ赴任していた筆者は、平成23年4月に附属病院中央診療部門として人工透析センターを立ち上げたが、それを支える人材の確保に苦労していた。そこに本学腎臓高血圧内科の細谷龍男教授（当時）からの協力申し入れで派遣されたのが同君であった。その後、二年間にわたり、彼の持ち前でありかつ慈恵の学風ともいえる朗らかさ、率直さ、そして行動力をもって主に中央診療部門・人工透析センターでの業務に尽力してくれた。この間、他学の医師の間で働くことになり、彼の苦労は多大なものであったと推測される。しかし、同君の患者を中心にしたまっすぐな考えと行動は、センター内外のスタッフから次第に支持されるようになり、人工透析センターも中央診療部門としての機能を確立することができた。
先の震災から三年が過ぎ、福島の人々にもやっと笑顔が戻ってきたように見える。彼の離任はちょうどそのような変化が見えてきた時期であった。福島医大の多くの医師・看護師が彼との別れを惜しんだ。現在、当センターは、大学本来の使命である高度医療を受けるための透析患者を県内全域から受け入れられるまでに整備されたが、これに対する同君の貢献は大きい。母校に復帰した�盒況�が、福島での経験を糧に一層の活躍をされることを期待している。
（中山昌明・福島県立医大腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科学講座教授・同病院人工透析センター部長��昭５９年卒）
