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東京慈恵医科大学同窓会

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2014年11月25日 臨床医の研究 ―チーム形成と課題、モチベーションをどのように維持するか ―
肝胆膵外科 柴 浩明


 大学人としての医師の仕事は「臨床」、「教育」、「研究」とされる。通常の勤務時間帯は、「臨床」、「教育」をこなすのに手一杯で、「研究」を行うための時間はほとんどない。しかしながら、外科診療に携わるものとして自施設の手術成績の把握は必須である。さらには自施設の治療データを解析、あるいは他施設からの報告を参考にして、治療成績を向上させ全世界に発信することが外科医の「研究」の第一歩であり、「研究」に対するモチベーションの源と考える。
 外科学講座肝胆膵外科では、英文原著、英文症例報告とも年々増加してきており、平成25年はそれぞれ30編、11編であった。当科には、現在六名の大学院生がいるが、「研究」活性化には大学院生の存在が欠かせない。大学院生がデータベース管理の中心的役割を担っており、また基礎研究を「NF―κB制御による膵癌、胃癌の抗癌剤効果増強」というトランスレーショナルリサーチとして臨床にフィードバックしている。肝胆膵外科では、年1〜2名が大学院に進学しているが、大学院へのリクルートは大学院生自身が行っており、これも良い流れの一つの要因であろう。また、現在の大学院生が新入大学院生の指導者となれるような教育を心がけている。今後の目標としては、論文執筆の裾野の拡大、high impact factor journalへの論文掲載、そしてさらなる当院独自の臨床にフィードバックされる研究の立ち上げを目指したい。

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