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東京慈恵医科大学同窓会

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2014年11月25日 第110回解剖祭厳かに行わる
658霊位とご遺族に敬意と感謝


 平成26年10月28日(火)午後1時、第110回解剖諸霊位供養法会(通称��解剖祭)が大本山芝増上寺において厳かに執り行われた。当日は、秋晴れの好天に恵まれ、平日にもかかわらず大勢のご遺族がご参列され、広い本堂の中を埋め尽くすほどの盛会であった。この1年間に新たに解剖に供せられたご遺体は658霊位であり、明治15年8月以来の解剖総数は36,697霊位となった。
 導師である増上寺第88世・法主・八木季生大僧正台下をはじめとする僧侶方の荘厳な雅楽の響きと読経の後、東京慈恵会医科大学の教職員・学生を代表して松藤千弥学長は、ご霊前に、系統解剖37体、病理解剖62体、法医解剖559体の諸霊位に対し、明治38年以来、毎年10月28日に増上寺において法要を営み、御冥福を心からお祈り申し上げる祭文を読み上げられ、尊い決心をされたご本人とご遺族に対し最大の敬意と感謝の意を表した。次いで、穏やか、かつ厳かな読経の中、ご遺族、教職員、学生合わせて、約800名が次々にご焼香し、諸霊位のご冥福をお祈りするとともに、その尊い志に感謝の意を捧げた。読経はさらに荘厳を極め、この1年間に新しく解剖に供せられた658霊位の御名前が僧侶によって、一人ひとり読み上げられた。引き続き、第88世・法主・八木季生大僧正台下より、「貴い志によって自らの身体を献体してくださった多くの方々に、阿弥陀仏のもとで安らかに暮らしてくださるよう、そして、ご本人や、ご遺族の尊い心を思いながら、南無阿弥陀仏を合掌して唱えてください」との法話があった。
 次いで東京慈恵会医科大学教授会を代表して、田尻久雄教授(消化器・肝臓内科)より、「ご遺体の医学への貢献についての報告」が述べられ、「私ども医療従事者・教職員ならびに医学生・看護学生は共に、すべての御霊のご冥福を心よりお祈り申し上げます。皆様のご厚志を無為にすることなく、私ども一同、これからも医学・医療の更なる発展のために、一層の研鑚を重ねる所存でございます。」とご霊前に約束し、閉会となった。
 増上寺の会堂に参集されたご遺族の方々は、供養法会を終え、心満ち足りた気持ちで、それぞれ散会した。

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