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東京慈恵医科大学同窓会

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2015年01月25日 菰池信彦君(平15)
TDDW2014にPoster competition awardを受賞



菰池君(左)とJaw-Tawn Lin教授(会長)

 Taiwan Digestive Disease Week 2014(TDDW2014)が、平成26年10月3日と4日の2日間にわたり、国立台湾大学のJaw-Tawn Lin教授が会長を務め、台湾高雄市にて開催された。TDDWは、台湾の消化器関係の11の学会を中心に、アジア圏の特に中国・韓国・日本の医師・研究者を集め、毎年行われている大規模な国際学会である。菰池信彦君はこのTDDWのポスターセッションにおいて、最高位となるPoster competition awardを受賞した。通常、ポスターセッションは消化器の各分野に分かれて報告が行われるが、分野を越えて全ポスターの中で最高位に評価された一演題のみにベストポスター賞、すなわちPoster competition awardが授与される。菰池君の演題は「Photodynamic surveillance of colitis-associated dysplasia in patients with ulcerative colitis and in mice by visualization following oral 5-Aminolevulinic acid sensitization」であり、彼の研究テーマであるcolitic cancerの内視鏡診断についての報告である。
 炎症性腸疾患(Inflammatory bowel disease:IBD)は今なお難病であるが、そのうち潰瘍性大腸炎は最近、治療のめざましい発達により長期間の寛解が見込める状況になってきた。しかしながら長期間の経過を辿ることによりcolitic cancerの発生という新たな問題も発生してきた。このcolitic cancerはその診断が極めて難しく死因の大きな原因となっているため、これまで様々な診断法が検討されてきた。消化器・肝臓内科と内視鏡科の消化管班においても重要な問題ととらえ、様々な角度から取り組んできた。菰池君の報告は腫瘍親和性物質である5-Aminolevulinic acid(5-ALA)を利用することにより発生する蛍光を利用してcolitic cancerの内視鏡診断をしようとするものである。今回の報告は、その臨床成果とともにその裏付けとなる基礎実験についてである。全く新たな診断方法であり、今後、臨床での客観的な評価が大いに期待されるところであり、さらに発展することを消化管班一同、強く願う次第である。
(内視鏡科・診療部長 加藤智弘記)

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