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東京慈恵医科大学同窓会

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2015年02月25日 退任記念講義を終えて
形成外科学講座 内田  満


 定年退任にあたり、記念講義を行う機会を与えていただきまして、誠に有難うございました。これまでの人生で、忘れることのできない教えを授けてくれた3人の先生方について、お話しさせていただきました。いずれも私が慈恵医大に入学する前の出会いであり、それは私が医師として講座担当教授として重責を果たしていく上で、はかり知れない恩恵を与えてくれました。
 自らの過去を教育という視点で振り返る機会は、これまで一度もありませんでした。誰にとっても、受けた教育には無数の側面がありますが、その中で懐かしい思い出とともにフラッシュバックする場面は、私にとって人生の宝とも言えるものです。記念講義をきかれた方が、その中の一つでも興味を覚えて下されば、こんな嬉しいことはありません。
 慈恵医大を卒業後、私は形成外科学講座に入局し、丸毛英二先生、児島忠雄先生、栗原邦弘先生の3名の主任教授に薫陶を受けました。私のライフワークは顔面・手足の先天異常疾患の治療であり、それは慈恵医大の形成外科において、開設時からの多数の患者さんの治療を通して培われた伝統が支えてくれたものです。後輩の形成外科の先生方には、ゼロからのスタートではなく、先輩の諸先生あるいは前任者の業績を最大限に活用し、その上に新しい次元のオリジナリティーのある学問を築いてほしいと思います。
 慈恵大学は私が勤めた30年間に、多くの新しい建物が完成し、大学はその姿を一変しました。今後の10年間は、ハード・ソフト両面で、これまで以上にさらなる改革と創造が要求されていくことでしょう。慈恵を心から愛する者として、私は大きな期待と夢をもって大学の発展を眺め、応援していく所存です。
 最後に、私をこれまで支えてくれた教室員の方々、大学・病院の教職員の皆様に心から感謝を申し上げます。

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