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東京慈恵医科大学同窓会

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2015年02月25日 定年退任にあたって
放射線医学講座 兼平 千裕


 昭和50年に本学を卒業後、2年間の研修を経て放射線医学講座に入局しました。望月幸夫先生、多田信平先生、川上憲司先生のご指導のもとで放射線治療学、放射線診断学、核医学の基礎を学んだ後、放射線治療医になる決心をして放射線医学総合研究所(放医研)へ2年間国内留学させて頂きました。
 放医研は現在重粒子線治療で名を馳せておりますが、当時は速中性子線治療の臨床試行を行っており、加えて放射線治療を目的として子宮頸癌の患者さんが全国から多数集まることでも有名でした。高線量率腔内照射の臨床への導入の先駆者である荒居竜雄先生は速射砲のような早口で、子宮頸癌の放射線治療について多くのことをご教授くださいました。
 大学に戻り、望月幸夫先生、五味誠先生、山下孝先生から日々の臨床を通して放射線治療学さらには放射線生物学の奥の深さを教えて頂き、ようやく放射線治療医として独り立ちすることができました。
 以来今日まで、本学附属病院で一貫して放射線治療に携わってまいりましたが、この十数年間の放射線治療の進歩はまさに目を見張るものがあります。放射線治療の関連機器にコンピュータ技術がふんだんに使われるようになって放射線治療は二次元から三次元へと進化し、複雑な形をした腫瘍の輪郭にあわせて高線量が照射できるようになりました。この飛躍的な進歩を遂げた照射技術をわれわれの施設にも導入し、臨床の現場でその技術の素晴らしさを肌で感じることができたのは何より幸せなことでした。
 40年の長きにわたってご指導くださいました諸先輩の方々、ご支援くださいました同僚・後輩の皆様、医療スタッフの多くの方々に心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。本学のますますの発展を祈念しております。

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