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東京慈恵医科大学同窓会

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2015年02月25日 定年退任にあたって
病理学講座 福永 眞治


 このような立場で定年を迎えることができたことは、多くの皆様のご支援、ご協力のお蔭であり、深謝申し上げます。
 何も具体的なビジョンもなく卒業し、気がつけばあっという間に40年が経過し病理学一筋で終わろうとは想像外でした。振り返れば数年でも臨床経験をすべきであったとの後悔もあります。恩師石川栄世教授に誘われ直ちに病理学教室に入局し、主に軟部腫瘍の指導を頂きました。多くの先輩、同僚に恵まれ、縛りや波風の無い“古き良き時代”を送ることができました。
 その後、病理医として2度の転換期があり、最初は昭和62年より2年間の憧れの米国留学(ジョージ・ワシントン大学、ワシントンD.C.)でした。米国での恩師シルバーバーグ教授より診断病理学の面白さ、婦人科病理を教わり、また主にエイズ患者のカポジ―肉腫の研究をしました。米国内外の多くの友人を持ち多様な文化に接することができた夢のような日々が鮮明に思い出されます。これらの友人と同様に、論文を書く習慣ができました。日常の診断業務の根底にはシルバーバーグ教授の教えがあります。二度目の転換期は平成12年に約50名の世界的なリーダーである病理医より構成されるAMR Clubのメンバーに日本人で初めてなったことです。一気に海外の人脈ができ、国際交流を活発に行う機会が急増しました。その一環として昨年5月にメンバー20名を招き本学において病理診断シンポジウムを開催しました。
 多くの学内外の臨床医と病理医と楽しく仕事が出来、また学会参加の機会も多く充実した大学での生活でした。ひとえに慈恵医大という大きな後ろ盾があったことと思い感謝いたします。今後の大学、病院の益々の発展、人材の輩出を祈念しております。

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