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東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2015年03月25日 角田 亘准教授(平3)
第9回医療の質・安全学会学術集会にて
ベストプラクティス賞最優秀賞を受賞


 平成26年11月、幕張メッセで開催された第九回医療の質・安全学会学術集会において、慈恵医大第三病院リハビリテーション科(リハ科)の角田亘君(平3)が、「当院における入院関連機能障害予防システム(Hospitalization-associated disability Prevention System:HPS)の先駆的導入〜病院全体の医療の質を向上させる取り組みとして〜」を発表し、“ベストプラクティス賞最優秀賞”を受賞した。この賞は全国200以上の施設から「医療の質と安全に関する実践報告」の中で最も優れた発表に対して与えられる、大変栄誉ある賞である。
 HPSとは、平成25年7月から第三病院の複数の診療科で、世界初の試みとして行っている入院関連機能障害予防システムである。直接的には運動障害をきたさない肺炎や心不全で入院した場合であっても、入院治療に伴う長期の安静臥床により下肢体幹の筋力低下や歩行障害を呈することは珍しくない。これらは以前、廃用症候群という語で総括されていたが、最近では入院治療を原因とする場合に限っては“入院関連機能障害(Hospitalization-Associated DisabilityHAD)”と称されている。そこで我々は、院内をあげてのHAD発生予防対策であるHPSを第三病院に導入した。新しく患者が入院すると各診療科の医師がHAD発生リスクを評価し、高リスクと判定された患者をリハ科医師が病棟で診察する。次いで、リハ科医師の指示により、リハ科療法士が迅速にHAD発生予防目的でのリハを開始するというものである。この取り組みの結果、HADの発生頻度も減少し、いくつかの診療科では在院日数の短縮も確認されている。HPSに対する患者およびその家族の反応はすこぶる良好であり「入院生活で足腰が弱ることを心配していたがこれで安心」「さすがは慈恵!」などというありがたい声をいただいている。
 最後に、本プロジェクトにご協力をいただいている第三病院各診療科の先生方、リハ科療法士の皆様方、看護師の皆様方に厚く御礼を申し上げる。
 (第三病院医療安全推進室 芝田貴裕記)

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