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東京慈恵医科大学同窓会

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2015年03月25日 DMAT関東地区ブロック
訓練に参加して


 平成26年11月28・29日に群馬県で開催されたDMAT関東地区ブロック訓練に参加したので報告する。
 DMATとは(Disaster Medical Assistance Team災害医療派遣チーム)の略であり、大規模災害発災直後に被災地へ駆けつけ、「避けられる災害死」を最小限にするべく活動する組織である。DMATは、医師一名、看護師二名、業務調整員二名で構成される。
 阪神淡路大震災では初期救急医療が過不足なく行われていれば約500名の命が救えたといわれている。日本DMATはこれを教訓に平成17年に米国の制度を参考に発足し、慈恵医大でも平成26年4月までに慈恵四病院すべてにDMATが組織された。複数の慈恵隊による本格的実践訓練への参加は今回が初めてである。
 今回、葛飾医療センター・第三病院・柏病院(以下、葛飾隊、第三隊、柏隊)が参加したのは、群馬県南部での大規模災害発生を想定し、日本赤十字社および関東七都県DMATや関係機関が参加し、被災地における緊急治療や病院支援および広域医療搬送等のブラインド形式での訓練であった。この中で、葛飾隊は倒壊した病院の支援および傷病者搬送を、第三隊は相馬原駐屯地に開設された広域搬送拠点での医療活動を、柏隊は同基地から下総基地までの傷病者ヘリコプター搬送を任務として活動した。
 いずれも訓練は事故もなく無事に終了したが、人事異動に伴う隊員の偏在(葛飾隊は業務調整員欠員)やライフラインが寸断された場合の通信手段の確保が課題となった。また、葛飾隊は今回参加がなかった本院の病院搬送車を借用した。しかし、葛飾医療センターでは病院搬送車を保有していないため、現状では突然の派遣要請には対応できない。人員および病院搬送車の確保が喫緊の課題と考えられた。
 平成26年8月の広島土石流や9月の御嶽山噴火にもDMATは投入されており国内のDMATに対する認識が高まるとともに活動の場も増えている。
 慈恵医大も日本DMATの最大課題である南海トラフ地震発生を念頭に体制の本格的な整備を急ぎ進めてゆく必要がある。
(本院救急部 大谷圭・葛飾医療センター救急部 行木太郎記)

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