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東京慈恵医科大学同窓会

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2015年04月25日 木田康太郎君(平14)
AHA 3CPR Max Harry Weil Award 2014 Winnerを受賞




 平成26年11月にシカゴで行われたAHA
Scientific Sessions 2014(AHA;American Heart Association)において、麻酔科学講座助教の木田康太郎君(平14)が、3CPR Max Harry Weil Award 2014Winner(3CPR;Cardiopulmonary, Critical Care, Perioperative and Resuscitation)を受賞した。
 同賞は、米国のみならず全世界の3CPR領域の研究発表の中から、最も優秀な研究に対して授与されるもので、急性期医療領域では非常に権威のある賞である。木田君の受賞は日本人としても初である。
 今回、木田君はNOS3(NOS3;nitric oxide synthase 3)ノックアウトマウスを用いて、心停止・心肺蘇生後の低体温療法による予後改善にはNOS3が必要であること、また一酸化窒素吸入を併用することで低体温療法単独治療群と比べ有意に生存率が改善することを報告した。心肺蘇生後の低体温療法は神経学的予後を改善することや、一酸化窒素は虚血や再灌流時に臓器保護効果があることは、これまでも注目されていたが、心肺蘇生後の低体温療法における一酸化窒素の効果についての検討はされていなかった。木田君は基礎的なアプローチで心肺蘇生後の低体温療法における一酸化窒素の有効性を証明し、新たな治療法の可能性を示した。
 木田君は、平成21年に、東京慈恵会医科大学の学外研究員となり、米国マサチューセッツ総合病院麻酔科に留学した。世界のトップクラスの研究者に囲まれながら、昼夜を分かたず研究に邁進した結果、2013年度のAHA Young Investigator Awardと今回の受賞という二年連続受賞の快挙を成し遂げた。今後は、彼の研究の更なる発展と後進への指導に期待している。
 最後に、留学をサポートしてくださった東京慈恵会医科大学ならびに、木田君の本研究の指導者であるハーバード大学麻酔科教授市瀬史博士に改めて感謝を申し上げたい。
(麻酔科学講座担当教授 上園晶一)

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