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東京慈恵医科大学同窓会

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2015年05月25日 看護学科教授就任挨拶
老年看護学  梶井 文子


 平成27年4月1日付で医学部看護学科の老年看護学教授に着任いたしました。わが国の超高齢社会は、75歳以上の後期高齢者が急増し、認知症者の増加や多死社会が到来する時代です。さらに地域包括ケアシステムの施行に伴い、看取りを含めた在宅医療・看護の潜在的ニーズと課題が山積しています。このように高齢者をとりまく保健・医療・福祉の現場では、介護予防から慢性疾患・障害とともに生きる高齢者のQOLの向上やエンド・オブ・ライフケアの視点をもった幅広く・新しい看護の役割が期待されています。高齢者ケアは、多職種から成るチームアプローチが必須であるため、同職種や医師はもちろん、他職種との連携が効果的に行える実践能力も重視されます。前任校では、大学周辺の地域高齢者に対する転倒・骨折予防講座、認知症者やそのご家族のための支援プログラム、さらに子供と高齢者をつなぐ多世代交流プログラムの看護実践を通じ、地域社会の中での大学の果たす役割や新しい看護支援のあり方について開発研究を行ってまいりました。
 高齢者は疾患や障害の程度、人生も多様であることから、最期まで細やかな視点と、豊かな人間性・感性を活かした尊厳ある看護が求められます。慈恵大学は、病気を診ることだけに捉われることなく、病に苦しむ人を診る(看る)ことを重視した人間中心の医学・看護学を理念に掲げ、教育・研究・臨床実践を行っている点に共感しました。この理念を現実的に実践し、社会に貢献できる人材育成に努力をしてまいりたいと思います。ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

【略歴】
 梶井文子(かじい・ふみこ)八王子出身。昭和62年東京大学医学部附属看護学校卒業、平成9年女子栄養大学卒業、平成14年東京医科歯科大学大学院保健衛生学専攻博士後期課程修了(看護学博士)。東大病院、時事通信社健康管理室、おもて参道訪問看護ステーション勤務を経て、平成14年から聖路加国際大学(旧聖路加看護大学)にて助手、講師、准教授を経て、平成27年東京慈恵会医科大学医学部看護学科・老年看護学教授。看護師、管理栄養士、認知症ケア専門士。

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