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東京慈恵医科大学同窓会

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2015年07月25日 第53回 実験動物慰霊祭
厳かに執り行われる




 第53回実験動物慰霊祭が、平成27年6月13日(土)午後3時より大学1号館講堂(3階)にて、松藤千弥学長、栗原敏理事長、実験動物研究施設の嘉糠洋陸施設長をはじめ、およそ120名余りの教職員、大学院生、実験動物関連企業社員の参列のなか、栄立院の福西賢兆住職の読経のもと執り行われた。参列者による献花の後、松藤学長より次の挨拶があった。
 「この一年間、医学の進歩のために尊い命を提供してくれた実験動物に感謝し、魂を慰めることができた。皆は、医学の進歩による患者貢献や社会貢献を目的として動物実験を行っているが、研究者として、動物実験が必要であることを確信するとともに、動物愛護の精神を十分理解し、正しい動物実験の遂行を心がけていることと思う。しかし、この機会に、人類の福祉のために実験動物が犠牲になるということ、そしてそこに自らが参画しているということにどんな意味があるのか、もう一度自らに問いかけ、真正面から考え、自分なりの考えを胸に、次の一年間の動物実験にあたることが大切なのではないかと思う。
 また、忘れてならないのは、社会全体を見渡すと、動物実験に対する考え方には極めて大きな多様性があるということである。市民感覚は私たちのものとは相当異なり、また国によっても異なる。その幅は、人を対象とした医学研究の論理よりも、はるかに大きいといえる。中には、わたしたち研究者と相容れない意見もある。わたしたちにとって大切なのは、いろいろな考えがあるということを認め、相互理解に向けて必要な行動をとることである。本学では、ホームページを用いて動物実験に関する質の高い情報公開を行っており、また、現在、動物実験委員会が中心となって、本学実験動物施設の外部評価を受審する準備を進めている。研究者ひとりひとりも、多様な意見があることを忘れずに、動物実験を計画し、実施して欲しい」
 参列者一同は、松藤学長の言葉を胸に深く刻むとともに、動物実験に臨む心身を一層引き締め、慰霊祭は滞りなく終了した。
(実験動物研究施設 櫻井達也記)

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