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東京慈恵医科大学同窓会

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2015年07月25日 井内裕之君(平20)
日本学術振興会特別研究員(DC1)に選出される


 平成27年1月18日、日本学術振興会より平成27年度採用特別研究員に、本学糖尿病・代謝・内分泌内科大学院生1年の井内裕之君(平20)が選出された。
 日本学術振興会特別研究員制度は、優れた大学院博士課程在学者及び大学院博士課程修了者等に対し、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与えることにより、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成・確保に資することを目的とするものである。毎月の研究奨励金と、付帯する科学研究費補助金を合わせると、医学系大学院の2年次から支給される「DC1」の枠組みでは、合計1000万円という高額の公的資金から無償で付与される。平成27年度募集においては、国内の精鋭が集う中、一次書類選考および二次面接選考からなる平均5〜10倍の狭き門を突破し、晴れて井内君が選出された。
 対象研究は「血圧変動、血糖変動の共通メカニズムの解明」である。糖尿病・代謝・内分泌内科においてはこれまでに、糖尿病と循環病態に関わる先駆的な研究が数多く報告されている。井内君は、この新しい概念をさらに発展させ、“血糖・血圧変動は圧受容器・化学受容器という共通の器官によって支配される”という独特の発想にもとづき、独自の研究装置を開発し、研究を展開している。この研究から得られる成果は、分子メカニズムに基づく糖尿病と高血圧症合併例のコモンディジーズ化の解明に加え、その後の臨床応用も十分に期待させるものである。井内君の研究は、まさに慈恵発の臨床医学と基礎研究を融合させたトランスレーショナルリサーチであり、その基盤となる研究モデルとして、その将来性が高く評価された成果と考えられる。また井内君は、私が担当した大学院講義・医学研究法概論「研究計画書の書き方」をよく咀嚼し、素晴らしい申請書と面接発表を準備したことを申し添えたい。なお、井内君の他に2名の本学大学院生が27年度の特別研究員に採用されている。先般、日本医療研究開発機構(AMED)が設置され、臨床研究の重要性がさらに高まる中、近い将来それを支える慈恵の若手研究者の質の高さを内外に示すことができたことは大変に喜ばしい。井内君らの快挙をたたえるとともに、今後の研究成果と糖尿病・代謝・内分泌内科学講座のさらなる発展に期待したい。
 (熱帯医学講座 嘉糠洋陸記)
※広報委員会では他の2名の特別研究員採用者についても新聞掲載を予定しています。

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