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東京慈恵医科大学同窓会

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2015年08月25日 栗山 哲君(昭53)
第58回日本腎臓学会
総会において優秀論文賞受賞




 平成27年6月5日、第58回日本腎臓学会総会が名古屋で開催された。同学会は、昭和34年に故上田泰名誉教授を発起人の1人として設立されたもので、現在では会員数1万人を超える学会である。この度、本学会総会において腎臓・高血圧内科客員教授・栗山哲君の臨床研究、「血清尿酸値と筋肉量/筋力の関連性」が平成26年度優秀論文賞の栄に浴した。受賞理由は、「骨格筋からの尿酸産生は好気性条件下において血中尿酸値を規定する」との新たな知見に対する評価である。
 栗山君は本学卒業後、腎臓・高血圧領域で基礎的・臨床的研究を継続してきたが、還暦を過ぎた研究者の原著が学会で評価されたことは異例といえる。同君は東京都済生会中央病院内科医長の時代にも腎保護療法に関して顕著な業績を残してきた。特に、90年代後半に発表した「エリスロポエチンによる腎性貧血改善は慢性腎臓病患者の腎機能低下を遅延化させる」、との新知見は世界をリードした先駆的業績であり、本邦に留まらず欧州や米国の腎臓病診療ガイドラインに広く引用されている。現在は、東京国税局診療所長・健康管理センター長として診療と健康管理業務に専心するが、そこでの膨大な健診成績を解析した結果が、今回の受賞テーマである尿酸と骨格筋の生理学研究にむすびついたと聞く。
 小生は学生時代から親友の同君に誘われ、旧第二内科(現腎臓・高血圧内科)で内科医としての研鑽を始めた。現在も開業の傍ら臨床高血圧の研究を継続しているが、これは同君の影響が大きい。今回の朗報は、腎臓病学の進歩に留まらず同級生として望外の喜びである。誠におめでとうございます。
(昭53・宮川政昭記)

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