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東京慈恵医科大学同窓会

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2015年10月25日 同窓会設立90周年記念式典・祝賀会挙行



 平成27年10月3日(土)、同窓会設立90周年記念式典および祝賀会が大学との合同開催で東京プリンスホテル「プロビデンスホール」において約400名の多数の同窓会員が出席し、盛大に挙行された。高橋紀久雄同窓会長の式辞、栗原敏理事長からのご祝辞をいただき、北海道支部五十嵐良支部長(昭42)の乾杯で懇親会となった。会場は歓談の輪が広がり、終始和やかに進められた。会の終わりには寮歌祭の衣裳を身に着けた杉田守正君(昭50)によるエールで会場にいた出席者全員で円陣を組んで「慈恵の歌」を斉唱した。

式 辞
東京慈恵会医科大学同窓会 会長 高橋 紀久雄
 本日は、大学から栗原敏理事長、松藤千弥学長のご出席を頂き、東京慈恵会医科大学同窓会設立90周年記念式典および祝賀会を会員の皆様と共に開催できることは、会長としてこの上ない喜びであります。
 平成22年には大学創立130年記念式典と合同で開催された同窓会設立85周年記念祝賀会は、霜礼次郎前会長のもと各方面からの来賓を迎えて盛大に挙行され、その記憶はまだ鮮明に我々の脳裏に焼き付いています。その後、5年が経過しましたが、同窓会は平成24年には社団法人を解散し、任意団体となりましたので新たな気持ちで、設立90周年を会員と大学関係者の方々の、所謂身内で楽しく祝うことに致しました。
 同窓会の歴史は皆さん良くご存知ですが、大正12年の関東大震災で壊滅状態になった大学の復興を支援した先輩方が中心になって、大正14年に正式に発足しました。以来90年の長い年月の間、阪神淡路大震災、東日本大震災その他の災害時には被災された会員を支援し、折にふれ大学への支援も行ってきました。平成24年に社団法人を解散した時には、同窓会の全資産を慈恵大学に寄付しました。
 このように同窓会の使命である一に会員のため、二に大学を支援するという、二つの目的を歴代の会長はじめ会員の皆様のご努力で継続されてきたことに、敬意を表したいと思います。
 確かな歴史と伝統に育まれている慈恵医大同窓会の団結力は、他の私立医科大学同窓会から注目されております。また、学祖高木兼寛先生の業績と建学の精神は、最近になって各方面で再認識・再評価されています。高木兼寛先生の教え「医者である者は紳士たれ」を慈恵の精神と肝に銘じ、今後はこの良き伝統の上に立っている慈恵大学と慈恵医大同窓会のすばらしさを、これまで努力されてきた先輩の業績に恥じないように、後輩たちに確実に継承していくことが我々の責任であります。
 本日この祝賀会にお集まりの約400名の皆様は勿論、多くの慈恵医大同窓会会員が、慈恵医大出身であることを誇りに思って「ともに歩む慈恵」のもと、今後も各方面、各分野で慈恵の良さを若い世代に伝えていただけることを信じて本日の式辞と致します。

祝 辞
学校法人慈恵大学 理事長 栗原 敏
 東京慈恵会医科大学同窓会は設立90周年を迎え心からお祝い申し上げます。
 大正14年(1925年)、東京慈恵会医科大学同窓会の名のもとに全国的な規模の同窓会が設立され、第1回同窓会総会が開催され、慈大愛宕新聞が機関誌として発行されることになりました。それ以前にも、成医会講習所、東京慈恵医院医学校、東京慈恵医院医学専門学校、東京慈恵会医院医学専門学校の卒業生が同窓会を組織していましたが、全国規模の同窓会が発足したのは、大正14年(1925年)ということになります。
 大正10年に東京慈恵会医院医学専門学校は東京慈恵会医科大学に昇格しました。しかし、大正12年9月1日に起きた関東大震災で、大学の建物はほとんど壊滅し、大学は再興できないのではないかとまで言われました。しかし、震災からの復興に向けて、全国規模の同窓会が発足し、多くの同窓生の支援によってこの難局を乗り越えることができたのであります。
 第二次世界大戦中、同窓会活動は休止しましたが、昭和23年(1948年)に全国規模で同窓会支部が結成され、昭和24年10月24日に第1回支部長会議が開催されました。
 以来、同窓会は母校を支援し、同窓の連携を図ることを主な活動目的として、今日まで運営されてきました。昭和30年(1955年)には、任意団体から社団法人東京慈恵会医科大学同窓会となり、同窓会館が建設されました。
 平成15年(2003年)には同窓会に医学部看護学科が併設され、“医師と看護師は車の両輪の如し”と言われた、高木先生の理念が同窓会でも現実のものとなりました。
 平成22年(2010年)、同窓会は設立85周年を迎え、大学創立130年と重なり、記念行事が大学と同窓会の協力のもとに行われ、“ともに歩む慈恵”を合言葉として、一層、大学と同窓会との絆が強固になりました。
 時代の要請により、平成24年(2012年)12月31日に、社団法人東京慈恵会医科大学同窓会は解散し、新たに任意団体として東京慈恵会医科大学同窓会が発足しました。この時の残余財産は大学に寄付され、教育・研究に有効に使われており、心から感謝しています。
 このように、本学の同窓会は時代とともに変革してきましたが、一貫して大学を支援し、同窓の絆を一層強固なものにするという基本的な方針が継承され、今日に至っています。東京慈恵会医科大学で共に学んだ同窓が、卒業してからも利害を超えて大学とともに歩み、高木兼寛先生の建学の精神を継承していることは、他大学にはない同窓会だと思います。本学の卒業生は高木先生の創立の理念を胸に抱き常に想い起こし、それぞれの道を歩んでいます。どこに行っても慈恵の卒業生がいて、高い評価を受けているのは、同窓生が慈恵を卒業したという誇りをもって精進しているからだと思います。
 歴代の同窓会会長は、それぞれの時代に重責を担い、大学を支援して来られました。大学を代表して感謝するとともに、敬意を表したいと思います。同窓会は、阪神淡路大震災、東日本大震災などの災害時に、逸早く被災した同窓を探し支援の手を差し伸べています。このような支援は被災者の皆さんを、励まし勇気づけ、復興へ向けた支えになっています。また、海外で研究発表する若手研究者に対して同窓会振興資金による助成が行われるなど、他大学には見られない大学への支援が行われています。
 現在、大学は本院外来棟建築を中心とした西新橋キャンパス再整備計画に取り組んでいます。これまで、同窓各位から暖かいご支援を頂きましたが、この大事業を成就し、更にその後の事業計画を推進するためには、皆様との絆に支えられたご理解とご協力が不可欠です。関東大震災後の復興に、全国同窓が立ち上がり支援したことを想い起し、皆様の一層のご協力をお願いする次第です。
 改めて同窓会設立90周年を心から祝賀し、設立百周年に向ってますます発展することを祈念して祝辞といたします。

同窓会設立90周年を祝して
東京慈恵会医科大学 学長 松藤 千弥
 同窓会が設立90周年を迎え、記念式典および記念祝賀会が盛大に開催されましたことを、大学を代表して、また同窓のひとりとしてお祝い申しあげます。
 本学では5年前に大学創立130年・同窓会設立85周年の記念行事を執り行いました。すなわち、今年は大学創立135年ということになります。ご存知の通り、本学は成医会講習所として創立され、医学校・専門学校時代を経て、大学に昇格したのは高木兼寛校長が逝去された翌年の大正10年、95年前のことです。その年から同窓会設立までの5年間に、本学は存亡の危機に瀕しました。大正12年に首都圏を襲った関東大震災によって、大学として整備を完了したばかりの建物のほとんどが燃えてしまったのです。この試練に直面した教職員・学生は、一丸となって復興をめざしました。それを全国の同窓が結束して支援したのを契機として、今につながる同窓会が結成されたのです。
 同窓会設立85周年記念特別表彰を受賞した松田誠名誉教授は、学生に強い愛校心を植え付けた高木兼寛先生を称えました。私も学長として、同窓会支部会やクラス会にお招きいただくたびに、同窓の皆様の母校を思う気持ち、母校にかける期待をひしひしと感じます。高木先生の教えが人から人へと受け継がれ、今でもそれが慈恵の大きな特長であることを誇りに思います。建学の精神が学生、教職員のみならず、同窓にまでこれほど広く、深く浸透している医学部はおそらく他にないでしょう。この伝統を、大学に所属する私たちは守っていかなければなりません。
 同窓会は90年もの長きにわたり、固い結束を維持し、物心両面で大学を支えて来られました。このことに心より感謝いたしますとともに、百周年に向かって同窓の絆がよりいっそう深まることを祈念いたします。また同窓会へのご恩は、慈恵の未来に対して報いたい、すなわち、慈恵に集う若者たちを、医療人としての同じ理想をもった次世代を担う仲間として大きく育てることによってお返ししていきたいと強く思う次第です。

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