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東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2015年10月25日 JATECコース開催される

 JATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)コースは、日本救急医学会と日本外傷医学会が共同開発したわが国における外傷初期診療標準化研修プログラムである。救急医学講座では、平成19年から国立国際医療研究センターおよび横浜市立大学を主会場として本コースの開催に関与してきた。今年度初めて、平成27年7月11日、12日の2日間にわたり本コースを横浜市立大学救急医学講座とともに本学内で開催した。
 JATECコースは、32名以上の指導スタッフを必要とする実践的シミュレーション研修である。その目的は、防ぎ得た外傷死を減らすために救急外来での外傷初期診療の標準化を図ることにある。コース自体は、受講生を8つのグループに分けて、外科的気道確保、胸腔ドレナージ、心嚢穿刺、胸部や骨盤レントゲン読影などの八ブースを順次回り、さらにシミュレーターを用いて救急車到着からの一連の流れを模擬診療として行う。そして、最後に実技試験・筆記試験で習熟度を確認する。今回、32名の受講生のうち7名が本学関係者であり、その内訳は、救急医学講座から3名、整形外科学講座から2名、麻酔科学講座から2名であった。
 現在、附属病院・葛飾医療センター・第三病院では二次救急医療が、柏病院では三次救急医療が行われている。現状では、救急医学講座単独で四附属病院全ての救急診療対応は困難であり、全診療科の協力が欠かせない。本コースは外傷に対する救急初期診療を網羅する内容であるが、その考え方は生理学的評価と蘇生治療を含んでおり、あらゆる救急疾患対応に応用可能な内容である。今後、隔年で本コースを本学で開催することで参加者が増加して学内における救急診療の連携が強化され、救急診療の質自体が向上されることを期待している。さらには、四附属病院での救急診療における各科連携が密になり、本学救急医療全体の活性化につながることを期待したい。
 (行木太郎、卯津羅雅彦、小川武希記)

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