社団法人東京慈恵会医科大学 同窓会

 
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2016年09月25日 大学講座シリーズ 「分子生理学講座」
講座担当教授 竹森 重


【分子生理学講座と「自然と生命の理」】 
 神経や筋肉が電気信号を操ることの発見が電池を生んだ。その後も生理学は理・工学と緊密に関わり、神経が発する活動電位の成因が二次大戦後に英国で解明された時にも電子工学の考え方が大きな役割を果たした。
 医・理・工学が専門分化した今日、各分野の人たちが共同して探求・開拓する時代になった。そこで大切なのは、相手の視点で自らの分野の情報や考え方を提供することだ。二年次前期の卒前教育で我々が担うのは自然科学からの医学への導入。「自然と生命の理」という課程の名称は先に定年退任した馬詰良樹教授の発案による。

【骨格筋研究の流れ】 
 講座の前身である(第一)生理学教室では、活動電位現象への興味を契機に骨格筋研究が戦前から一大テーマになっていた。当時の教室の浦本政三郎教授、名取禮二教授(第七代学長)は揃って大の物理好きだったから、分子・原子を対象とする当時の新しい物理学に刺激され、筋節という規則構造を持つ骨格筋に新しい科学への道を感じていたのだろう。
 終戦前の混乱で実験機材を失った名取教授は、戦後間もなく手製のメスと実体顕微鏡で骨格筋細胞内から収縮装置を生理的な状態で取り出すことに成功した。当時の科学の思い込みだった「細胞膜の障壁」を打ち破り、細胞内の生理構造に直達する科学の道を切り拓いたのだ。こうして日本に筋研究の潮流が始動した。
 物理領域の筋研究を名大物理の大沢文夫が拓いた。物理を架け橋とした名取教授との親交による所は大きく、大沢の研究室から藤目智が我々の所に来ていた。思考実験と発想の転換を我々は学んだ。
 細胞内情報伝達の筋研究を東大薬理の江橋節郎が拓いた。江橋はカルシウムイオンが筋細胞内の収縮指令メッセンジャーであることを苦労して世に示した。その流れを汲む山澤志子が細胞内カルシウムシグナルを直視しながら細胞内の生理現象を我々の所で追っている。
 構成タンパクの筋研究を千葉大生物の丸山工作が拓いた。丸山は名取が予言した弾性タンパク質コネクチン/タイチンを発見し、連続した筋節構造を完成させた。丸山の右腕だった木村澄子が今は我々の実験室で大活躍している。
 このほか、工学に強い奥山博司は講座独自の研究装置開発に頼もしく、物理を修めてから医学に進んだ関野一が異彩を放つ。

【体力医学研究】   
 実験装置の冷却も容易でなかった昔、筋研究に向かない夏は体力医学研究だった。体力医学はスポーツ生理学を環境生理にも拡げた医科学領域で、増田允教授が名取教授から引き継いだ。増田時代に講座に学んだ森本茂、池田道明が今も講座でヒトの筋活動や爪の成長を探求する。彼らの教え子世代の山内秀樹、黒坂裕香は、国領校の体力医学研究室で身体活動に伴う筋細胞内信号物質などを追っている。

【若い力】      
 前回慈大新聞に講座紹介が載った時、スタッフの平均年齢はようやく30歳だった。慈恵の卒業生が次々入っていたからだ。竹森重、大野哲生、山口眞紀、中原直哉が現在の卒業生スタッフ。田口美香、花野万里子は事務と実験を掛け持ちで日々駆け回る。長丁場の生理系の実験研究。放射光施設でのX線回折実験は終夜実験だ。新時代の生理研究を切り開く若い力を待ち望む。










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