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東京慈恵医科大学同窓会

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2016年11月25日 パネルディスカッション6
研修医からの提言
臨床研修医2年目
正古 悠一


 研修医アンケートからは主に3つの懸念が示された。まずは新制度の説明を求める声。全体説明会があったものの、診療科ごとの詳細説明や、慈恵における制度運用の方針が分からず戸惑う声が多かった。しかし、導入直前で制度移行が延期になったように、大学側も詳細を説明する材料がないのが正直なところであろう。次に各科の入局定員数設定に関して不安の声が多く挙がった。定員が設けられれば、希望の診療科に進むために選抜試験を受けることになる初期研修医にとっては最も直接的な影響がある。今後はレジデントの選抜基準を大学、各診療科には明示していただきたい。最後に基礎研究を含め将来設計への不安が挙げられた。今後入局後に基礎系または大学院進学を志望する者も増加することが予想される。新専門医制度は主に臨床面での移行だが、慈恵医大の基礎・臨床研究体制が、入局希望者にとって新たなアピールポイントとなるように環境整備をしていただきたい。
 現状として卒後3年目に母校に戻り入局する研修医は非常に多い。何か制度が変わる際には必要以上に不安や反対の声が聞こえてくる。しかし、革新の連続で伝統を守り抜いてきた慈恵においては、このピンチをチャンスと捉え更なる飛躍を遂げる可能性は大いにある。当日は大学執行部の先生方も熱心に向き合って下さり、慈恵の後輩を思う温かい心に触れた気がした。決して悲観せず、自らの、そして慈恵の未来を花開かせ、真に患者のためになる新制度運用に期待する。

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