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東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2018年09月25日 大学講座シリーズ「泌尿器科学講座」 講座担当教授 頴川 晋

 沿 革

 泌尿器科学講座は、大正12年に、日本で最初の泌尿器科学独立講座として産声をあげ、間もなく開講100周年を迎えます。初代朝倉文三教授から、渡辺一郎教授、南武教授、町田豊平教授、大石幸彦教授と引き継がれ、現在第六代教授として頴川晋が平成16年4月より講座を担当させていただいております。現役総医局員数80名で、最近では若い医局員が増えてきております。また教室同門会OB会員は100名を超え、日本全国各地で活躍されております。


 現 況

 現在附属四病院と、教室関連施設・派遣病院として、JR東京総合病院、東京都リハビリテーション病院、国立成育医療研究センター、町田市民病院、立正佼成会附属佼成病院、九段坂病院、東急病院、練馬光が丘病院、太田総合病院、厚木市立病院、さいたま北部医療センター、富士市立中央病院があり、さらに来年度から東京都立広尾病院、太田記念病院が加わることが決定しております。また専門連携研修施設として亀田総合病院とも密に連携し、次世代を担うレジデントの教育に対し積極的に力を入れております。


 診 療

 悪性腫瘍から女性泌尿器科、小児泌尿器科など幅広く診療しております。どの分野でも共通していえることとして慈恵の精神である「病気を診ずして 病人を診よ」を理念とし、低侵襲な治療に力を入れています。手術に関しては、ほとんどが腹腔鏡で行われており、特に前立腺がんでは平成16年に腹腔鏡手術が導入され、開腹移行した症例もほとんどなく毎年150例近くの手術症例があります。21世紀はロボットの世紀でもあります。遅ればせながらロボット支援手術導入の方向で準備を開始しております。
 手術以外でも、前立腺がんでは平成15年に初めて密封小線源挿入治療を導入し現在まで1,500件を超える治療実績を上げており日本の先駆け的治療センターとなっております。また新規治療としては平成24年から腎がんに対して、また平成27年から本邦初である前立腺がんに対しての凍結治療が開始されております。基本方針として、新規先進的技術を積極的に取り入れる方針を貫いております。


 研 究

 歴史に裏打ちされた膨大な臨床実績を背景に研究活動を行っております。まず泌尿器腫瘍の分野では日本人前立腺がん患者から樹立した慈恵医大オリジナルの新規前立腺がん細胞株を作成し、ホルモン抵抗性の機序の研究を中心に行っております。また神経泌尿器科の分野では間質性膀胱炎のマーカーの探求や成因の研究を行っております。国内外研究施設との共同研究にも熱心に取り組んでおります。一例としては国立がんセンター研究所分子細胞治療研究分野落谷教室との前立腺がんエクソソーム研究があり成果を上げています。


 教 育

 「世界に一番至近な泌尿器科学教室」をスローガンとしてグローバルな活躍を目指す泌尿器科医の育成を目指しており、海外への学会参加や留学の奨励はもとより、国際的に著名な泌尿器科医師を招聘し、年数回の講演会や、カンファレンスを行っております。現在、海外留学生としては米国1名、オーストリア1名の2名です。また年に213人、アジアを中心に若手医師の留学の受け入れをも行っており、積極的な人材の国際交流を行っております。
 私たちは講座の栄えある歴史におごることなく、開講百周年、そしてさらにその先を見据え、ともに、そして一層着実に歩んで参ります。ご支援のほどお願い申し上げます。

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