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東京慈恵医科大学同窓会

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2019年02月25日 慈恵医大女性医師キャリア支援室活動報告(その12)

「リサーチ講演会-医学研究について知ろう、学ぼう」より
キャリア形成にとって大切な“人との出会い”
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター   
基盤研究施設(分子遺伝学)教授 玉利真由美(昭62)

 私は昭和62年に卒業し、7年間は慈恵医大で働き、それ以外は国立がん研究センター研究所、がん研究会がん研究所、理化学研究所で肺がんやアレルギー等のゲノム解析研究を行い、平成29年に本学に戻って来た。多くの学生や若い医師達と接するたびに、彼らに対して自分に何ができるだろうかと思う。
 研究の楽しさはやはり人との出会いかと思う。特に30歳までに出会った人は人生で特別な存在と聞くが、私もその頃に、人生に大きな影響を及ぼす出会いがあった。当時の第3病院内科第2講座の岡野弘教授は、私の国立がん研究センター研究所とがん研究会がん研究所への国内留学を許して下さった。このお許しがなければ全く違う人生になっていたと思う。また、この頃に外科出身の研究者、中村祐輔先生との出会いがあった。中村先生は当時からゲノム多様性を活用した疾患研究を行い、その後もがん免疫療法、AIホスピタルによる高度診断・治療システムの構築、と常に最先端の研究を続けている。1990年代、疾患ゲノム研究は夜明け前の状況で、中村研究室には日本全国から同世代の卒後まもない医師達が集まっていた。朝から夜遅くまで共に過ごした当時の友人の多くは、教授や研究室主宰者となり、今でも交流は途切れることはなく、助け合いが続いている。
 この度、女性医師キャリア支援室主催の講演の機会をいただいた。この講演会にとどまらず、研究をやりたい、と考えている人はいつでも相談に来てほしい。私の多くの失敗と少しの成功体験が皆様の助けになれば嬉しい限りである。

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