トップページ

東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2020年07月25日 附属病院に入院前検査センターがオープン

附属病院院長 井田博幸

 附属病院・慈恵大学におきましてはTeamCOVID―19と新型コロナウイルス感染対策本部を立ち上げ、診療部長会を毎週開催し本学の英知を結集してオール慈恵体制でCOVID―19対策を講じてきました。具体的には徹底した感染対策・不急の入院と待機手術の中止/延期・会議や委員会の中止/リモート開催・教職員の行動制限などを実施しました。その結果、令和2年4月に発生した院内感染は収束し、5月から初診外来・待機手術、6月から救急医療、7月から健診部門を再開いたしました。
 COVID―19による院内感染の病院機能に及ぼす重大な影響を実感しましたので附属病院では徹底した院内感染防止の施策を行いました。院内感染防止においてゾーニングと予定入院患者さんにおける不顕性感染者のスクリーニングは特に重要です。そこで外科学講座統括責任者の大木隆生教授を対コロナ院長特別補佐に任命し、外来病棟運営担当の山本裕康副院長とともにこのゾーニングと不顕性感染者のスクリーニングの具体策を立案するよう依頼しました。結論として予定入院患者さんに対して全例にPCR検査を実施し、さらに医療者への感染リスクが高い外科系患者さんにおいては胸部CTも施行することになりました。当初、N棟の健診センターのCTを利用し、2号館講堂を使用してPCR検体採取と患者さんのトリアージを行いました。しかし、このシステムでは健診センター・2号館講堂が使用できず、またゾーニングの観点からも問題がありました。そこで旧外来棟に入院前検査機能を移すことを考えましたが、既存のCTは移設されていましたのでこのプランを実現することは不可能でした。大木教授と親交のあるキャノン株式会社御手洗冨士夫氏とゴールドマンサックス証券横手信一氏に附属病院の今までのCOVID―19対応とこのCT問題をお話したところ、附属病院のCOVID―19感染症に対する社会貢献、そしてゾーニングと不顕性感染者のスクリーニングの重要性を理解して下さりお二人からCT導入に関して寄付と援助を頂くことになりました。このサポートのおかげで令和2年6月22日に旧外来棟一階に入院前検査センターをオープンすることができました。これにより附属病院が患者さん・医療従事者に安心・安全の医療を提供できる事になり、そして附属病院が特定機能病院として機能できる体制が整ったという点で極めて大きな意義を有すると考えられます
 最後になりましたが入院前検査センターの開設と運営にご尽力いただいた教職員と御手洗氏・横手氏に感謝申し上げます。

top