トップページ

東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2020年11月25日 第137回成医会総会特別企画5

超高齢社会を見据えた未来医療予想図
―国家戦略としてのフレイル予防からケアまで―
東京大学高齢社会総合研究機構機構長/
東京大学未来ビジョン研究センター教授 飯島 勝矢

 人生100年時代を生き抜くには、身体が健康であるだけでは不十分であり、生きがい・社会参加・社会貢献などの活力を生む処方箋が地域の中で求められる。そのためには目前に迫った超高齢社会の諸問題を、医療面だけでなく精神心理面や社会・人間関係、就労や経済活動、ひいては地域活性化も含めたまちづくり等、多面的視点で捉える必要がある。それを推し進める学問がジェロントロジー(総合老年学)であり、その視点から現在打ち出されている『1億総活躍社会』構想の中で支え手としての高齢者の役割を問い直してみたい。我が国の構造的な問題である超高齢化・人口減少に真正面から挑み、新・3本の矢(?希望を生み出す強い経済、?夢をつむぐ子育て支援、?安心につながる社会保障)の実現を目的とし、演者も関わった「ニッポン1億総活躍プラン」が閣議決定としてわが国の方針が示され、社会的包摂と多様性がもたらす持続的な成長も期待されている。より早期からのフレイル(虚弱)予防、及びそれを実現するための住民主体活動のエンパワメント、多岐にわたる社会参加や社会貢献(健康サポーターや子育て支援等)、生涯教育、多世代交流、等々、生きがいを持てる活動の場の創出、要介護時期を安心して暮らす地域包括ケアシステム等は喫緊の課題である。まさに産学官民連携による『総合知』を駆使したコミュニティのリ・デザインを推し進めており、その日本版モデルを構築し世界へ発信している。

top