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東京慈恵医科大学同窓会

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2020年12月25日 学祖 高木兼寛先生墓参執り行われる

高木兼寛先生の記念碑見学と5名の看護師の墓参と併せて

 本年の学祖 高木兼寛先生の墓参は、令和2年11月14日(土)青山霊園にて新型コロナウイルス感染症の影響により規模を縮小して執り行われた。栗原敏理事長をはじめ、松藤千弥学長、理事、医学科・看護学科の教職員、穎川一信同窓会長、江本秀斗・武石昌則両副会長、学生など27名が参列した。墓前には、理事長、学長、同窓会、医学科保護者会、看護学科保護者会、学生会から供花が捧げられ、参列者は順に焼香を行い、高木兼寛先生を偲んだ。
 当日は、大学創立140年を記念して9月末に墓所入口に建立された記念碑の見学も行った。記念碑には、宮崎県に生まれた学祖が英国人医師ウイリアム・ウィリスに師事したのち英国留学を経て、軍医官の最高位である海軍軍医総監として活躍したこと、脚気の原因が栄養の欠陥にあることを実証し、ビタミン発見への道を切り拓き欧米で「ビタミンの父」として高く評価されていること、本学の前身である成医会講習所を設立するとともに日本で最初の看護婦教育所を設立し、我が国の近代医学の礎を築き、その後の医学・医療の発展に多大な貢献をしたことなどの功績が記されている。
 また、同じく青山霊園に眠る本学ゆかりの看護師松浦里子氏ら五名の墓参も行った。明治23年、看護婦の労働が厳しく、医療も十分発達していなかった当時、学業途中や勤務途中で病に倒れ死亡することが少なくなかった。高木兼寛先生はこのことに心を痛め、当時の赤坂区長に交渉して青山霊園に払下げの願いを出したという歴史がある。我が国最初の看護婦教育所を設立した高木兼寛先生の「医師と看護師は車の両輪の如し」との思いにも触れることができた。
 墓参終了後、千代田区一ツ橋にある如水会館に移動し、高木兼寛先生の遺影を囲み十分な感染対策を行ったうえで懇親会を行った。松藤学長のご挨拶では、高木先生の功績に加え、高木先生と感染症についてのお話があった。また「コロナ禍の中で、皆さんが次に何が起こるかわからない状況に立ち向かわなければならない。予測できない未来に立ち向かう力とは、1つ目は自分自身に学問的な力をつける、2つ目は困難に立ち向かう心構え・覚悟、3つ目は曇りのない目が大事である。学祖墓参を通して次にやってくる危機に立ち向かっていただきたいと思います」と述べられた。

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