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東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2021年03月25日 退任記念講義を終えて

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、井田博幸教授ならびに柳澤裕之教授の退任記念講義は同窓会ホームページにて動画配信予定

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小児科学講座 井田博幸教授
演題「みんなと歩んだ13年間」

 この度、2021年3月31日をもって13年間務めた講座担当教授を退任いたします。そこで(1)小児科学講座の体質改善、(2)小児科学講座の対外的プレゼンスの向上、(3)小児科学講座の未来体制の構築に集約される13年間のアウトカムを報告し退任講義といたします。
 教授を拝命してまず考えた事は小児科学講座を多少の問題があってもビクともしない、そしてガッチリと結束した組織にすることでした。この目標を達成するために人事考課の実施、教育の充実、一体感の醸成、研究の推進を講座運営の柱としました。対外的プレゼンスを向上させるため、小児科学会理事として専門医制度の構築・指定難病/小児慢性特定疾患制度の法制化に尽力しました。そして現在も厚労省社会保障審議会児童部会の委員や難治性疾患制作事業の分担研究者として国の施策に関与しています。日本先天代謝異常学会理事長として国際化の推進、Next Ge-nerationの育成、臨床と研究のレベルアップを行いました。医局員の先生方・同窓の先生方が小児科学講座のために力を合わせた結果、講座は活性化し、13年間で128名の小児科医が入局し、その人的パワーを生かして西埼玉中央病院、町田市民病院、愛育病院を新規関連病院にするとともに慈恵大学病院母子医療センターを設立し、2021年2月11日に創立100年を迎えた小児科学講座の次の100年の臨床・研究・教育の未来体制を構築しました。
 13年間私と一緒に苦楽をともにして歩んで下さった医局員の先生方・同窓の先生方・教職員の方々に厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。皆様から受けたご恩を忘れずにこれからの人生を歩んでまいります。末尾になりましたが、本学と小児科学講座の益々の発展を願っています。


環境保健医学講座 柳澤裕之教授
演題「諸刃の剣としての亜鉛の可能性〜中毒学、公衆栄養学から臨床応用まで〜」

 新型コロナウイルス感染症の拡大(第3波)のため緊急事態宣言が発動され、退任記念講義(2021年1月30日)は中止になりましたが、退任記念講義のビデオ撮影(令和3年3月13日)の機会を与えていただき、厚く御礼を申し上げす。
 思い起こせば40年前に本学を卒業して、故郷にある群馬大学大学院医学研究科に入学しました。大学院の3年間は、群馬大学医学部第3内科(1年)、ジュニアレジデントとして自治医科大学内科(1年)、シニアレジデントとして自治医科大学消化器内科(1年)で臨床研修を行いました。その後、東京大学医学部衛生学教室文部教官助手(約10年)、埼玉医科大学医学部衛生学教室助教授・主任教授(約10年)として教育・研究・社会貢献に従事し、14年前に母校である東京慈恵会医科大学に環境保健医学講座の講座担当教授として着任しました。東京大学医学部衛生学時代には、St.LouisにあるWashington Uni-versity School of Medicine,Renal Divisionに約2年半留学し、研究だけでなくアメリカンライフや観光も大いに楽しみました。
 帰国後、東京大学医学部衛生学教室文部教官助手を併任しながら科学技術庁診療所長として職員の健康管理に携わる機会を得ました。この経験は、私にとって産業保健活動を専門領域の一つとする切っ掛けとなりました。東京慈恵会医科大学環境保健医学講座に着任後は、教学委員会、カリキュラム委員会など多数の委員会に参画する機会を与えられ全学の教育の基盤を構築してまいりました。最近では、学校法人慈恵大学内部質保証推進委員会委員長として来る大学基準協会の受審に対応するため、本学の内部質保証システムを構築する重要な使命を与えられました。環境保健医学講座では、講座員一人一人が大きく成長し、毎年多数の研究成果がでるようになりました。このことは、私の心の支えであり、私にとっての励みでした(退任記念講義ビデオを参照)。
 最後に、お世話になった環境保健医学講座の皆様、大学の教職員の皆様に心から御礼を申し上げます。また、環境保健医学講座と本学の益々の発展をお祈り致します。

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