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東京慈恵医科大学同窓会

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2022年11月25日 第139回成医会シンポジウム「働き方改革」

司会 岡本愛光(産婦人科学講座担当教授)
   安保雅博(リハビリテーション医学講座担当教授)

 2021年5月1日に改正医療法が成立し、これにより2024年4月からは医師についても罰則付き時間外労働上限規制が適応される。労働時間の規制に加え、医師の健康確保のため面接指導や連続勤務制限などが義務づけられ、長時間労働となる医療機関には医師労働時間短縮計画の策定が求められる。われわれは具体的にどのように対応したらいいのか。このシンポジウムでは最新情報を共有しながら、「働き方改革関連法案」遵守に向け、現実的・効率的な対応策を考えたいと、冒頭、岡本愛光産婦人科学講座教授より、趣旨説明があった
 まず、中野匡眼科学講座教授が、大学で進めている「医師の働き方改革に向けた当院の取り組み」を説明した。慈恵医大は支給されているスマートフォンを使用し、2018年からビーコンを活用した医師の勤務状態のデジタル化と勤務管理に取り組んできており、院内に設置したビーコンからの客観的なデータが継続的に、しかも医師の負担がなく取得可能となっていること、各診療科への勤務状況の現状調査や宿日直許可の取得など明確に述べられた。続いて、厚生労働省医政局医事課 医師等医療従事者働き方改革推進室室長補佐 藤川葵先生から「今知りたい!医師の働き方改革に求められる医療機関の取組」として、的確な総論的な説明を頂いた。非常に理解しやすく、これから何をしなければならないのか理解できた。さらに、日本医科大学多摩永山病院院長 中井章人先生から「いよいよ働き方改革がはじまる」として、講演を頂いた。長年、働き方改革に取り組まれていることから、婦人科学学会としてまた、院長として多くの例を示しながらお手本を示された。何よりも、今回は宿日直許可の取得、C2水準の指定を受けることが最低限必要なことであるといわれていた。
 最後に、矢内原臨産婦人科学講座准教授、矢野文章外科学講座准教授、櫻井謙小児科学講座講師から、各講座における働き方改革に向けた現状調査と対策が報告された。各講座における問題点や対処法などしっかりと把握、検討されていることが理解できた。また、医局員各々にアンケート調査をおこなっており、働き方改革の考え方もいろいろあることがわかり、個人の医師の働き方改革に対する要望と医局管理による働き方改革に対する要望を上手くしっかりしたコミュニケーションをもって調和させる必要性も感じられた。
 シンポジストとして視講してくださった皆様にも心からお礼を申し上げたい。
(リハビリテーション医学講座 安保雅博記)

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