東京慈恵医科大学同窓会
最新情報2024年06月25日 内科学講座脳神経内科教授(現リハビリテーション
医学講座教授)鈴木正彦君
第13回日本脳血管・認知症学会総会を開催
鈴木正彦君(平2)が、令和5年8月5日に、六本木アカデミーヒルズ タワーホールにおいて第13回日本脳血管・認知症学会総会を主催した。
本学会の目的はアルツハイマー病や血管性認知症は勿論のこと、レビー小体型認知症やパーキンソン病関連認知症、前頭側頭型認知症などの主たる脳神経変性型認知症に関して「超高齢社会にあって注目される血管と認知症の関係」について臨床的・基礎的研究を推進することである。そして脳神経内科学・老年医学・循環器内科学・代謝学・薬理学・神経科学・ニューロリハビリテーション等と多岐にわたる専門家から構成され、年々学会員や総会への参加者も増加しており、これまでの縦割りの診療科別学会が多い中で大変ユニークな一面を持っている。
こうした背景とポストコロナと称された微妙な時期に、鈴木君は大会長としてテーマを―脳血管・認知症研究のイノベーション―と題して総会を企画した。特別講演には日本神経学会西山和利代表理事が招聘され、国際ジョイントシンポジウムでは、この分野の権威であるR.N. Kalaria教授(Newcastle Un-iversity,UK)による講演が行われた。
またAIテクノロジーの応用、認知症ワクチンによる新規治療の可能性、血管性危険因子など最新の話題について活発な意見交換がなされた。さらに産業医セッションでは聖マリアンナ医科大学リハビリテーション医学講座の佐々木信幸教授(平9)が登壇され、鈴木君がこれまで取り組んできた認知症治療への熱意と幅広い人脈が垣間見られた素晴らしい総会であった。
この分野は、健康寿命の延伸を基盤とした人生100年時代の実現に向け、社会的かつ学術的要請に応える形で今後も大きく発展されることが予想されるだけに、今後更なる認知症の病態解明や予防法そして治療法の確立に大いなる期待が寄せられている。なお鈴木君は令和6年9月に第13回日本認知症予防学会学術集会大会長もリハビリテーション医学講座教授として担当する予定であり、さらなる活躍に期待したい。
(山王病院脳神経外科部長 高橋浩一・平2記)