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東京慈恵医科大学同窓会

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2020年11月25日 第137回成医会総会特別企画3

ICT/デジタル医療(デジタルヘルス)
デジタルハリウッド大学大学院客員教授/京都府立医科大学 加藤 浩晃

 デジタルヘルスとは、ICTやAI、スマートフォンやアプリなどのデジタルテクノロジーを活用して、医療の質の向上や医療コストの抑制を目指す取り組みのことである。具体的には遠隔医療や医療AI、ウェアラブルデバイス、PHR(Personal Health Record)などが含まれる。本講演では特に遠隔医療について現状の整理ならびに、遠隔医療を活用したデジタルヘルスのこれからの展開について話をした。
 遠隔医療に関連して、令和2年度診療報酬改定ではオンライン診療料に関する要件の少しの緩和はあったが大きく変わっていなかった。しかし現在は、COVID―19による特例措置によって一旦、どのような疾患でも再診だけでなく初診からオンライン診療が可能となっている。
 次にオンライン診療の先進的な取り組みとして、眼科で実証ならびに一部運用が始まっている「DtoPwithD」や「スマートアイカメラ」を紹介した。DtoPwithDでは分院にいる専門の医師が、共有された電子カルテを参照しながらオンラインで本院にいる患者さんの診察を行う。高度な医療を提供する医師が、移動時間をできるだけ少なくして医療を提供することができる。またスマートアイカメラではiPhoneに装着した機器で眼の診察ができるため、診察室でなくベッドサイドで眼科診察が可能となっている。
 最後に2040年に向けて、遠隔医療などデジタルヘルスを活用した未来がさらに想像される。 医療が大きな転換点を迎えている今、新たな取り組みをするには絶好のタイミングであると考えられる。

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