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東京慈恵医科大学同窓会

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2022年05月25日 講演2 基盤研究施設
演題「質量分析法をベースにしたオミクス解析について」
岩本武夫教授


 今回この演題が退任記念講演の演題として適当かどうか迷いました。普段でしたら今まで慈恵医大でお世話になった、例えば法医学・青木先生、眼科・水野、鎌田先生、第二生理・栗原先生、第二内科・細谷先生、小児科・衞藤先生、分子生物学・松藤先生方との共同研究について走馬灯のように浮かんでくる事お話しをすれば良かったと思いましたが、昨年3月に私学助成のブランディグで新規に導入されたLC―MS/MSシステムのお披露目や講習会等がコロナ禍のため、計画してもなかなか開けませんでした。そこでこれが最後のチャンスと思いこの講演では、質量分析で生体中の網羅的代謝物やタンパク質の解析が実用可能になった事を皆様に知って頂くため、実際にメタボロミクスやプロテオミクスのデータ測定法やデータ解析でどのような知見や情報が得られるか示しました。またより多くの先生方や研究者に熟知して貰いスムースに研究で活用出来る様なお話を致しました。質量分析との付き合いは、かれこれ40年あまりになります。研究者として駆け出しの頃、世界初の3元錯体の存在を明らかにした時に利用した装置の一つが質量分析器で、明快な結果を得ることができました。当時、「君は蚊を殺すのにバズーカ砲を使うタイプなの」と皮肉を言われたりしましたが、今はこのバズーカ砲がないとにっちもさっちも科学の進展が望めないほど重要な測定装置と成りました。米国から帰国後はこの装置を利用して多くの先生方の研究をサポートできた事を幸いに思っています。最後になりますが本学の益々の発展を切に願っています。

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