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東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2021年04月25日 教授就任挨拶

外科学(消化管外科分野) 講座担当 衛藤 謙

 令和3年4月より、外科学講座消化管外科分野担当教授を拝命いたしました。外科学講座の源流は、学祖高木兼寛先生が外科医として英国から帰国し、明治14年に成医会講習所を開設されたことに遡ります。昭和の時代には、第一外科と第二外科の2講座制、さらに第三病院外科、青戸病院外科が加わり、4講座体制が確立しました。そして平成13年に、4講座体制は臓器別に再構築された大講座制へと移行されました。血管・小児外科(大木隆生教授外科学講座統括責任者)、呼吸器・乳腺・内分泌外科(大塚崇教授)、消化器外科(池上徹教授)の3分野に分けられていましたが、今回消化器外科分野が肝胆膵と消化管に分かれ4分野体制となりました。
 消化管外科は、現在124名と外科学講座全体の約半数にあたる多くの医局員が在籍しており、その責任の重みに身が引き締まる思いです。その中で上部・下部消化管外科の2つの診療部に分かれ、専門性を持った医師が、悪性・良性疾患を含む幅広い領域を担当します。内視鏡やロボットを使用した最先端の低侵襲治療や、他診療部と綿密に連携したチーム医療を行っています。また、臨床研究や、基礎講座と連携した基礎研究を推し進め、世界へ新しいエビデンスを発信できるように努力いたします。全ての外科学講座医局員の幸せを想う理念のもとに、消化管外科、そして外科学講座の発展のために全力を尽くしてまいります。
 今後とも教職員の皆様、同窓の先生方のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

<略歴>
 衛藤 謙(えとう・けん)平成4年東京慈恵会医科大学卒業、平成6年東京慈恵会医科大学第3病院外科学教室入局、平成10年癌研究会附属病院国内留学、平成11年東京慈恵会医科大学附属病院外科診療医員、平成12年東京慈恵会医科大学附属柏病院救急部、平成13年米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校鏡視下手術センター留学、平成15年東京慈恵会医科大学附属病院外科診療医員、平成23年学位取得(医学博士)、平成25年東京慈恵会医科大学外科講師、平成29年東京慈恵会医科大学附属病院下部消化管外科診療部長、平成30年東京慈恵会医科大学外科准教授、令和3年東京慈恵会医科大学外科学講座消化管外科分野担当教授。


病理学講座担当 下田 将之

 令和3年4月1日より、池上雅博教授の後任として病理学講座担当教授を拝命させて頂きました。
 日本における人体病理学の草分け的存在であります当講座は、明治43年に就任された初代病理学教授の今裕先生にはじまります。以後、木村哲二先生、大場勝利先生、高木文一先生、石川栄世先生、松本武四郎先生、藍沢茂雄先生、牛込新一郎先生、羽野寛先生、池上雅博先生に引き継がれ、歴史的にも重要な学術的活動をされてまいりました。この度、このような134年の歴史・伝統を有する当講座を担当させて頂くにあたり、至極光栄に存じますとともに、その責務の重さに誠に身が引き締まる思いでございます。
 これまでの病理学講座のよき伝統を引き継ぐとともに、純粋な形態診断学としての病理学にとどまらず、基礎的研究成果、ゲノム情報や分子病理学を積極的に取り入れて相乗効果を挙げることにより、これまでに十分解明されていなかった種々の病理形態学的な変化に科学的なevidenceを与えていきたく考えております。私自身これまで一貫して臨床病理診断学と基礎的研究を両立する姿勢を貫いて参りましたが、今後も臨床病理診断学と基礎的研究が融合した病理学を理想とし、その推進に情熱をかける所存です。これらを実現するために、当講座をはじめとする諸先生方に御指導・御協力賜りますとともに、志を共にする大学院生や学生の参画を促し、形態診断学に関する強固な基盤を背景に基礎研究や分子病理学等を両立できる優れた病理研究者、すなわち将来の当病理学講座を担う次世代Pathologist(病理診断医/病理学研究者)の育成に全力を尽くして参ります。また、卒前・卒後教育の充実化や臨床系および基礎系の各講座の先生方との連携を築きながら、東京慈恵会医科大学のさらなる発展に微力の限り精力を注いでいく所存でございます。諸先生方や教職員の皆様には今後も変わらぬ御指導、御鞭撻、御支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

<略歴>
 下田将之(しもだ・まさゆき)平成12年慶應義塾大学医学部卒業、平成16年慶應義塾大学医学部病理学教室助手、平成22年パターソン癌研究所(英国)博士研究員、平成23年オンタリオ癌研究所(カナダ)日本学術振興会海外特別研究員、平成24年慶應義塾大学医学部病理学教室助教、平成26年慶應義塾大学医学部病理学教室専任講師、平成31年慶應義塾大学医学部病理学教室准教授。


環境保健医学講座担当 須賀 万智

 令和3年4月より環境保健医学講座担当教授を拝命いたしました。当講座は、平成4年4月に衛生学教室(明治20年開講)と公衆衛生学教室(昭和21年開講)を統合して発足しました。初代清水英佑教授(現名誉教授)から第2代柳澤裕之教授に引き継がれ、私が3代目となります。
 衛生学、公衆衛生学は「社会医学」と呼ばれ、基礎医学、臨床医学とは独立して位置づけられていながら、基礎医学、臨床医学とも深く関わりがあります。健康は個人因子だけでなく“環境”因子にも影響されること、医療は“社会”制度の中で営まれていることから、すべての医療職にとって必須の知識とされています。にも関わらず、この分野への関心はあまり高くないのが現状です。新型コロナウイルス感染症(COVID―19)流行を期に学部教育のあり方が見直されていますが、当講座としても、講義で“覚える”教育から実習で“考える”教育へシフトすることで、社会医学・予防医学の意義を体感し、現場で活かせる知識を身につけられる教育の実現に努めてまいります。
 社会医学・予防医学の価値をひろく知っていただくために、社会のニーズに応える研究を推進し、研究成果を積極的に発信していくことも重要です。当講座は少数精鋭ながら、in vi-vo実験、in vitro実験に取り組む“実験グループ”と疫学研究、臨床研究に取り組む“疫学グループ”がそれぞれ活動しており、各自の専門性を活かし、講座全体で一大プロジェクトを成し遂げた経験もあります。清水教授時代から当講座の主軸になっている産業保健を中心に、「働く人の健康課題に応える予防医学研究」を進めてまいります。
 社会医学という名称が表わすとおり、当講座には、行政機関、労働衛生機関、健康増進機関、企業、医師会など、さまざまな機関とのネットワークがあります。本学が本学を取り巻く社会とつながり、良好な関係を保ち続けるために、その一翼を担うことができる講座となるように、講座員一同、精進してまいる所存です。同窓の先生方、教職員の皆様、関係機関の皆様には、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

<略歴>
 須賀万智(すか・まち)平成7年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業、平成9年東京慈恵会医科大学第二内科学教室医員、平成12年東京慈恵会医科大学大学院医学研究科修了、聖マリアンナ医科大学予防医学教室助手、平成17年同講師、平成20年同准教授、平成22年東京慈恵会医科大学環境保健医学講座准教授、平成30年同教授、令和3年同講座担当教授。社会医学系専門医指導医、日本産業衛生学会産業衛生指導医、日本公衆衛生学会認定専門家、日本疫学会上級疫学専門家、日本衛生学会衛生学エキスパート、日本医師会認定産業医、メンタルヘルスエキスパート産業医。

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